3月11日。100年後のマニュアルの言語は如何に。

フランス社会・街並み・建築
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今日は、独り言みたいな記事を。

フランスで今日流れるニュースの話。

今日で、あの震災から1年。
フランスのニュースチャンネルでも
日本の情報を各番組枠のほぼ最初に放送しています。

これは割と珍しいこと。
普段テレビをみていても、フランスでは
日本の事はさほど報道されないんですよね。
フランスの原発企業「アレバ」が
福島原発の事故処理にあたっている関係で
原発事故処理の状況や、
事故当時の某社役員とその家族は
既に日本国外に出国済みだとかを短く扱うくらいでしょうか。

それが、今日は
ニュースチャンネルをつけっぱなしにしていると
あの日の津波に流されてまだ手つかずの場所や
その地に向かって黙祷を捧げる姿、
被災者への日本語インタビュー等が流れています。
今日に限っては、津波被害についての報道が多い。

あるフランス人特派員は、
一日じゅう同じ場所、ある瓦礫の山の前で、
各番組枠ごとに短い現地レポをしています。
出番ごとにだんだんに日が暮れていくのが
分かるので、彼は一日そこから
放送し続けているのでしょう。

それから東京電力本社前での
原発反対デモの映像とコメントが流れていました。
ちなみに東電は、フランス語で「テプコ Tepco」です。

(画像:Unsplashから)

フランスと日本、自然災害と原子力

フランスは原発大国で、
他国に電力の売却もしています。
核保有国でもあります。

一方、フランスの自然災害発生状況を見ると
パリに関しては歴史的にも
地震が起きたことはありません。
しかしエクスアン・プロバンスなど
地中海に面した側(イタリア方面)や、
ピレネー山脈付近(スペイン方面)では、
地震が発生する国です。
プレートの位置関係によるのでしょうか。

日本は地震の多い国。
それにもかかわらず自然災害時の対応を
改善できないなら
(冷却システムさえ維持できないなら)
原発以外のエネルギー源か、
あるいは蓄電インフラ(都市インフラでも)
もっと準備できないのかと
個人的に 切に考えてしまいます。

戦後日本は、数十年かけて54基の原発を作り
作ったはいいけど非常時の備えは心許ないまま。
30年以内に大地震が起こる確率70%の国で
原発事故の備えは未だって、一体どういう状況か?

資源が少ないと言われる日本。
自国のエネルギー自給問題は
防衛面でも相当重要なんだけど。

隣国ベルギーの原子力発電プラント

今後100年継続していく「原発事故処理マニュアル」の言語はどうなる?

フラ語学習していて、ふとこんな疑問が浮かびました。

メルトダウンした原発を廃炉にするのに
40〜50年はかかると言われています。
他にも放射性物質の処理完了までを考えると
これは100年を超える先まで続く仕事に
なるってことですよね。
今の日本の原発マニュアルや震災記録って
果たして100年後、あるいはもっと未来に
そのまま読めるものなのかな…と。
100年「前」の日本語って、
今の日本語とだいぶ違うと思うんだけど…。
技術も変わるだろうし。

ちなみに1858年の日米修好通商条約。
(井伊直弼が結んだいわゆる不平等条約)
私の美術の先生が、
この書類の原本を見たことがあるそうですが
日本語の部分が
現代日本語とはまったく違っていて、
殆ど解読できなかったと仰っていました…。
150年でそんなに変わったのか!

フランス語は
150年くらい前のフランス語の文面も
今でも割と読めるのだそうです。
フランス学士院が、頑張ってフランス語を
守っているせいでしょうか。
(私自身は、まだ現代フランス語を勉強中の身ですから、確認したことはありませんが…)

オーストリア ザイバースドルフの原子炉、1961年(Austrian National Libraryより)

自然エネルギー開発を進める某社の友人が
連日連夜働きまくってるのをみていたり、
核開発を進める北朝鮮から、
核技術をもつフランスに、
建築系だという留学生が多数来ているのをみていたり。

日常とは、実に複雑です。

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