国ごとの終戦記念日。

フランス社会・街並み・建築
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大統領選があけて、5月8日はフランスの祝日。
「第二次世界大戦の終戦記念日」です。

シャンゼリゼ大通り沿いには
数日前から既にフランス国旗が
ずらりと掲げられていて
記念日には朝から大規模なパレードが催されます。
(今日は観光しづらいかもね)

凱旋門では、新旧大統領の
オランド氏とサルコジ氏がともに
戦没者に花輪を手向けるセレモニーが行われました。

テレビも一日、セレモニーの様子を中継。
こんなパレードがあるとは知らずに
テレビをつけた私は一瞬
もう新大統領の就任式かと思った位でした。

第2次大戦の終戦記念日、国によって違います。

Français Oraleのクラスでも
また少し話がでていましたね。
(今回はあまり時間がなかったので、
 深い話はありませんでしたが)

5月8日に設定しているフランスの場合

「連合国がドイツを降伏させた」この日を
終戦記念日に設定しています。
ヒトラーに首都パリを占領されていた
フランスにとって、大切な日なのでしょう。

8月15日に設定している国

日本では
◾️8月14日にポツダム宣言の受諾を
 連合国各国に伝え
 (accepter la declaration de Potsdam)
◾️8月15日に玉音放送によって
 日本の降伏を国民に公表し、
◾️9月2日に降伏文書(休戦協定)に調印

という流れの中で
国民に敗戦を公表した「玉音放送のあった日」を
終戦記念日にしています。

そして、韓国や北朝鮮は、
日本から独立した記念日として
8月15日を採用しています。

9月2日、9月3日に設定している国

一方で、上記の降伏文書に調印した9月2日、
あるいは諸事情にてその翌日の9月3日を
「対日戦勝記念日」として
祝日にしている国も世界的には数多くあります。

例えばロシア等はそうですね。
(この日付に北方領土の問題もからんできます。
 ロシアはサンフランシスコ条約に調印して
 ないけど、昔から終戦は9月扱いらしいです。
 そうでないと北方領土に進出した日付の辻褄が
 合わなくなるので。)
ロシアの学生によると
この日は花火が打ち上げられるなど
大規模なセレモニーがあり
華やかで盛り上がる祝日なのだそうです。

アメリカやカナダ、中国等も概ね9月です。
(アメリカ人の年配男性からの話)

トルコ出身のドイツ人留学生は
さらっと他の祝日の話をしていたから
あまり詳しくはきけませんでした。
(それにしても国際色豊かなメンバーでしょ)

では、フランスにとって9月2日は?

フランスでも
9月2日に記念切手が発行されたことも
ありますが、
この国にとってその日は特に「祝日」ではなく
5月8日のみを祝日にしているのが
興味深いところです。
フランス人にとっての、意味の重さがわかります。

地続きのドイツに占領され、そして解放された…
という歴史的インパクトの大きさが
ここに現れているような気がします。

今でも、フランスのあちこちの街や村を旅すると
le monument aux mortという
慰霊碑を見かけますが、
これは戦争で国の為に
死んだ人の為に建てられたものです。

これが無い街はない、
日常風景のひとつだと言ってもいいくらい、
フランスには普通にあるものなんだそうで、
このあたりにも
『地続き』の相手との戦争が続いてきた歴史を
感じずに居られません。

地続きか、海に守られているかは、大きな違い。

地続きで外敵やテロリストの侵入が
普通にあり得る国、フランス。

一方、海に守られてきた国、日本。

感覚が違って当たり前。

アメリカや日本のような
「他国からで守られている国」と、
欧州や中国、アジア諸国のように
「他国と地続きの国」の外交感覚は絶対的に違う。

他国への「さらされ方」が、違う。

自分たちにとっての他国を
善か悪かの2択で整理するのではなく、
お互いに諸事情飲み込みながらも
別な付き合い方を考える。
経済を通じて、できれば双方の発展を…、
という付き合い方を試しているのが、EUか。

上手くいったり、いかなかったりしてるけど
とりあえずでも
新しい付き合い方を考え始めた人間はエラい。
って、すこしはにんげんをほめてみる。
ものすごい数の命が消えた後の話。

9.11のアメリカの反応。
様々なテロ時の、欧州諸国の反応。

日常っていろいろだ。

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