フランス、燃える大晦日。

フランス社会・街並み・建築
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フランスも1月1日は祝日で、みんなお休み。
でも、お正月休みや三が日という感覚はなくて
(クリスマス休んでるしね)
2日からは割と普通に世の中が動いていました。

31日の夜、
うちの前の通りでは、雨が降ってるのに
「Bonne annéeeeeeee!!!!!」
(あけましておめでとう!)と叫ぶ人や
うおー♪うおーぅ♪と調子はずれに歌いまくる
方々が居ました(何だろ、あの歌)

それから
たまに爆竹の音が聞こえたりとか
(本来、爆竹は禁止では?)
アパルトマンのどこかの部屋では
朝までずっと盛り上がって騒いでたりとか。
結構うるさい。みんな元気だ。
そんなこんなで、寝不足の元日を迎えました。

でもね、うちの近所はマシなほうなんですよ。

毎年恒例、新年にフランス内務大臣が発表する数字

今朝の内務大臣からの発表では、
「大晦日から元日にかけて
 フランス全土で
 53000人の警官と機動隊が動員されて
 警備にあたったが、
 それでも結局
 一晩に1193台の車両が放火された」と…。

2009年の記録の1140台?が
これまでのワースト記録と言われていたのが
今年はそれを上回る数字になってしまった。

フランス、日本の半分しか人間いないのに
※2012年現在の人口は
  日本:1億2960万人
  フランス:6566万人

ちなみに県ごとの統計だと、
セーヌ=サン=ドニ県の83台を筆頭に、
最少でも40台くらいは被害にあっているらしい。
(パリ北東のSeine-Saint-Denis県は
  W杯やコンサートが開催される
 「スタッドフランス」があるとこ。治安×)

たった、一晩でだ。

路上に置いてある車が、全国各所で放火される夜。

Unsplashからの写真。これは大晦日かわかりませんが、防護服をきたフランス警察の方々

考えてみよう…

日本で
一晩に40台も車が燃やされる県なんて無いよ!

人口比考えたら、倍の数字で見るべきか?
もし、あなたの住んでいる県で、
一晩に80台も車が燃やされたらどうでしょう?
大騒ぎですよね…

フランス、これが毎年なんだって。
しかも全国、いたるところで。

ちなみに車への放火だけではなく、
店舗のショーウィンドー等が壊されたり
強奪されたりすることもある。

それと
新年の爆竹の事故のニュースもやってます。
特にアルザス地方では
新年に花火を上げる習慣があり
死亡事故も時々起きているようです。
うーん、花火の事故は、
日本でも夏に多少あるかなあ…
(公園と花火事情については、こちらの記事でもちょっと触れました)

大晦日、粛々と年神様をお迎えする雰囲気ではない…

暴動の中身は

これらの暴動の中心は、
職のない移民の若者の反乱だと言われています。
フランスの植民地支配の歴史や
EUのシェンゲン協定内で移動してくる
東欧からの労働者の話も絡む。

尚、こちらでは大学を卒業しても
25%の若者は就職できない状況で
移民でなくとも職を得るのは簡単じゃない。
(新卒一括採用なんて変な仕組みもないが)

こうした若者の不満が高じ
毎年決まって大晦日に放火や強奪が
行われるようになったと。

新年にシャンゼリゼ等にお出かけになる
留学生の皆さんは、職質に備えて
滞在許可証のカードかコピーを携帯しておくと
いいかもね…

というわけで、皆様。
フランスはワインとチーズとマカロンの
お洒落な国とかっていう幻想は捨てて、
今年も事故なく無事に生きていこう。

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