渡仏する時、
日本で使っていた包丁を持参しました。
清長木屋の、小ぶりの三徳包丁。
サイズが気に入ってます。
しかし1年経ち、一度も研がなかったら、
流石に切れ味が悪くなってきました…
こうなると、料理は「力仕事」になってくる。
フルーツを刻むにも妙に力が居るし、
特に玉ねぎを切ると
ドリュドリュドリュ!って変な手応えがある。
これは研がねばなるまい…
肉も、薄切りのものは、
フランスの普通のスーパーには売ってないしね。
(アジア系の食料品店で
冷凍の薄切り肉を買うしかない)
塊肉を自分で何とか薄めに切ったりもするんですが、
だんだんとこれも一苦労になってきた。
ちなみに…お肉屋さんに置いてある
スライサーは、ハム等を切る為のもの。
お店にコレが有るからといって、
私の希望するお肉を
薄切りにしてもらう事はできません。
というわけで、
パリのキッチン用品売り場、探検開始!
フランス料理には包丁を「研ぐ」習慣がないらしい
…ところが。
こちらのスーパー等で普通に売っている道具は、
スティック状の、研ぎ棒みたいなモノばかり。
いわゆる「砥石」は見当たらない。
研ぎ棒だと、肉等を大量に切るときに
油を落としたりする程度のもので、
刃先を本当に尖らせる事は出来ません。
若干尖らせる程度なので、
刃の厚みや角度を調整する事はできない。
一時しのぎってところか。
それから、包丁を滑らせて使う
電動のキッチンシャープナーみたいなのも同様で、
刃先を薄く鋭くするものではない…。
この電動シャープナーに至っては、
大抵は、刃先を微小に傷つけて
切るものへの食いつきを良くするだけの代物だ。
違うんだ!
私は包丁の刃先を「ちゃんと」研ぎたいんだよ!
ネットで調べてみたけれど…
かといって、ネットで
「包丁研ぎ屋」がパリに無いかも調べたけど
これも見当たらない…。
どうやら、フランスの料理人さんは
日本料理のように
包丁を日常的に研ぐってことはないらしい。
確かに、和食だと
「包丁の切れ味一つで、料理の味が変わる」
みたいな感じで、食材そのものを
生で味わうことも多いけど、フレンチは違うからな。
ナイフは、肉を骨から「はがす」感じにつかう。
チーズは「おろす」けど
根菜を「おろす」文化は無い。
それに近い感覚なのは
野菜をジューサーにかけるくらいか?
和食とフレンチでは
素材の扱い方が、いろいろ違う。
だから道具も違う。あたりまえか。
和食作りに困った時は、京子食品へ行ってみる。
そしてついに…
オペラ座近くの日本食材屋「京子食品」で
砥石を発見しました!
しかし…業務用で、かなり大きかった…。
①荒砥石(目の細かさ#400位)
②中砥石(#1000位)
③仕上げ砥石(#3000位)
と、目の細かさの異なるものがが
しっかり揃っていましたが、今こちらで買うなら
家庭用の中砥石だけで十分だよな…。
自分、シロウトですから。
業務用の「中砥石」が大きいのは、当然か。
一番良く使うだろうし、
砥石ってのは、へるもんだし。
この業務用のビッグな中砥石、
お値段78ユーロ程。うーん、結構するな。
重いので、日本からの輸送費が掛かるから仕方ないか。
「ARMES」って書いてあるお店
さて。
京子食品のあるrue des Petis Champs 沿い。
京子食品を出て、左に行くと、
すぐ角に濃いグリーンの外観の店舗があり、
ARMES , COUTELLERIE と書いてあった。
ARMESって…兵器とか、武器とか…
ここ、武器屋ってこと???
(Coutellerieはカトラリー。ナイフ等の事)
ガラス張りのショーウィンドーを見てみると
確かに、包丁から武器まで何でもござれだ。
でも…こんなところで
日本の包丁の砥石は見つかるのだろうか?
おそるおそる扉を開けて入店し、
小さくBonjourとあいさつし、
カウンターに居たムッシュに
「日本の包丁を研ぎたいんだけど、
石はありますか?」
と聞いてみたら
「はいはい、これね」と
何と!すぐに出してくれたのだ!
すーばーらーしーい!
しかも、カウンターの後ろに展示してあった…
買いにくる人が居るんだ!!!
なんと、貝印の「コンビ砥石」。
中砥石と、荒砥石が両面についてる。
そして、研ぎ台付き!
お値段49ユーロ。
日本で買えば2000円位なんだけど、
輸送費が有るから仕方無いのだ。
セラミック包丁用の砥石(50€ちょっと)も
売ってましたが、
私の包丁はステンレスなので、
普通にステンレス・ハガネ兼用の砥石を購入。
水につけてから使うんだよ、知ってるかい?
大丈夫、うちで父がやってるのを見て育ったからね!
どうやらまた、私はまだ子供だと思われている
らしく、ムッシュはとても親切だった…。
日本では子供も包丁を研ぐんだからね!
(嘘です)
武器屋だから、こんな感じで武器も売ってます。
他には、貝印のハサミも色々扱ってました。
貝印は、世界的にも品質を高く評価されている
会社なのです。
帰宅して早速、自分の包丁と
アパルトマンに元々有った果物ナイフを研ぎ
果物を切ってみたら…
感動的にスムーズに切れた!
昨日までのストレスは何だったんだ!と思う位。
これから毎月、包丁研ごう、なんて思ったりして。
パリで砥石を買うなら、Courty et Fils へ。
パリにきてまで砥石買う人は少ないと思いますが
もし必要な方は、この武器屋さんへどうぞ。
京子食品からすぐ、ほんの30秒です。
お店のサイトはこちらです↓
包丁の研ぎ方は下記サイトが参考になりました。
(動画有り)
TOJIRO.NET 包丁の研ぎ方ガイド
あーもう、料理するのが、すごーく楽になった!
道具って大事です。
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