月曜日、パリ16区トロカデロ広場は、大変な騒ぎ。
暴動ですよ、暴動。
高級住宅地、16区なのに。
この2日間、テレビはそればっかり。
いまだにトロカデロ広場からシャンゼリゼに続く
道沿いでは、カフェや店舗、バス停のガラスが
めちゃくちゃに破壊されたまま。
直すのはこれからです。タイヘンよ、パリ。
なぜこんな事になってるかというと…
サッカーチームの優勝祝いが、大騒動に
週末に、ベッカムやイブラヒモビッチが所属する
サッカーチーム「パリ・サンジェルマン(PSG)」が
フランスの国内リーグで優勝したんですよね。
パリを拠点とするこのチーム、
クラブ創設以来3回目という久しぶりの優勝で、
ファンは大変な喜びよう。
まー、そりゃそうでしょう。
偉い人たち
パリのチームが優勝したんだし、せっかくならパリ名物のエッフェル塔が見えるトロカデロ広場で、優勝杯を掲げ、ファンと盛り上がろう!その後は、セーヌ川に船を浮かべてもっと祝ってやろう!
確かにね。
その気持ちは判る!
ビジュアル的にもいいね!
しかし…
元々は、そういう発想から始まったようですが、
結果的にはひどい終わり方になってしまいました。
祝典は一転して残念な夜になってしまったのです。
今回の暴動の発端は
一部の過激なファンが原因なのか
あるいは只の破壊行為者がはじめたのか
まだ不明ですが、
たまたま通りかかった大型観光バスを襲い
乗客のトランク等を略奪し始める光景が
テレビで流されています。
それ、サッカーファンのイベントじゃないだろ。
他にも、エッフェル塔付近の人混みにはまった
パリ観光オープンバスに物が投げられて
ガラスを割られまくってたり…
誰かが投げたものが、他の車にぶつかり、
またそこから喧嘩が始まり…
トロカデロ広場では、シャイヨー宮の補修工事の
足場によじ上って騒ぐ輩までいた…。
そして、手持ち花火や発煙筒で、
PSGの選手達がトロフィーを高々と掲げる
歓喜の瞬間には、エッフェル塔は濛々とかすみ…
とうとう警察が催涙弾を投げはじめ、
観客側からも発煙筒らしきものが投げられ、
トロカデロ広場から放射状にのびる道々に
大勢の人々が逃げ流れてゆき、その行く先々で
今度は店舗やバス停、車を襲撃し始めたのです。
(ひどすぎる)
略奪や破壊行為の様子も一部報道されていますが
もはやサッカーとは何にも関係ない騒ぎに
成り果ててました。がっかりだよ…
結局、セーヌ川での祝典は、急遽中止。
仕方なく
パルクドフランス(PSGの拠点スタジアム)に
戻ったPSGの選手達は、
総額たった600ユーロの出前ピザで
夕食をすませたそうな…
せっかく勝ったのにね。選手もちょっとかわいそう。
騒動に関わるメディアの報道は?
メディアでは、警備の不手際があったとして
内務大臣の辞職を求める意見も。
それにPSG側が賠償責任を負うか負わないか等
議論もされてる。
悪いのは結局、破壊略奪をした張本人達なんだけど、
そういう報道はあまり見かけなくて、
ちょっと不思議。(犯罪だよね?)
それから
以前に問題を起こしたPSGの過激サポーターの中でも
既にスタジアム立入禁止になっている一派が居て、
彼等がこの暴動の原因かもしれないなど
色々言われてました。
もし、チームのホームスタジアムで
祝典をやったとしても、
「スタジアム内を律するのは可能だが、
結局その周辺に集まって騒ぐ輩が出るから、
ダメなんだ」って。
まあ、ひどい話ですよ。
チーム久々の嬉しいニュースだったのに、
折角のお祝い気分が台無し。
もう今後は、PSGのパレードに
パリ市の公道の使用許可が下りる事はないだろう。
イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン等にも
このお恥ずかしい事態が報道され、
同じタイミングで、素晴らしい祝典をやって
ファンと素晴らしい喜びを分かち合えた
マンチェスター・ユナイテッドの現地映像が流れ、
流石のフランス人キャスター達も溜息をついていました。
「…………遠いね」と一言つぶやきながら。
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