少し前まで、オルセー美術館で開催されていた
L’ange du bizarre(奇妙な天使)展のお話です。
こちらはドイツ生まれの Carlos Schwabe 作
「墓堀人の死」。
なんと1902年、明治末期の作品です。
ボードレールの小説「悪の華」や、
メーテルリンクの本等にも
挿絵を描いている画家。
今回の展示会の、告知用ポスターにもなっていて
美しい衣装の色と、死の天使の手の中の光が
印象的な一枚。
今回は、ゴヤからマックス・エルンストまでの
Le romantisme noir(黒ロマン主義?)の
特集展覧会とのことで、
吸血鬼や亡霊、魔術師や化物屋敷などなど、
幻想的な雰囲気の美術ばかりが展示されていた。
18世紀末のフランス革命前後の作品から、
1860年のパリ市拡張、
1900年のパリ万博時代の作品、
19世紀前半の象徴派の作品、
20世紀前半のシュルレアリズムの作品まで…
(日本は江戸末期〜近代にあたる)
そんな時代の作品なのだけれど。
今のファンタジー映画やゲームの世界のデザインと
然程変わらないように思えて、ちょっと不思議。
時代の変化で暮らしがどんなに変わっても、
人間がイメージする神や精霊、悪魔のイメージは
変わらないのかも。
このオルセーに、現代の映画やゲームの背景画の
素晴らしい作品を一枚くらい混ぜてみたらどうかな?
なんて、悪戯心が湧いてしまう。
いつか芸術と呼ばれるくらいのものが、
今の我々の身近にも、あったらいいよね。
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