Japan Expoの、フランス弓道演武

フランス社会・街並み・建築
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さて、続きまして私のJapanExpoのお目当て、
武術の実演ブースのお話。

上手い人がいるかなあと思って…
あっ私、道場やぶりじゃ、ありませんよ。

実演や体験コーナーが始まると、
ワイワイと参加者が集まる。
ちょっとやってみたい人、多いんですね。きっと。
それはなんだか、武術経験者として、嬉しかった。

日本の武術と、そうじゃないものが混在する会場

こちらは合気道体験ブース。女性もいます!

弓道、剣道、居合道、合気道、薙刀、
少林寺拳法(←これは日本じゃない)
それからなんと「忍術」ブースもあったし、
「日本拳法」という謎のブースもあります。
(そんな拳法あった?)
なんなんだ、ナゾ武術?が混ざってる。

例えば、これ。
「VOVINAM VIET VO DAO」という、
明らかに日本のものじゃない何か。
一緒に武術コーナーに混ざってました。

このTシャツ、読みは「ぶかつどう」(笑)…ナイス。

…主催者さーん、いいの〜??JapanExpo?
アジアっぽいなら何でもOKで出してるみたいですが
誤解のもとなので、発祥国などは
きっちり明記してほしい気がします。

そして成程と思ったのは、
フランスにおいて「柔道」は
既にオリンピックで強てる国になっていて
国内の知名度も有るので、
JapanExpoには柔道ブースはなかった、ってこと。

弓道に世界大会があるって、知ってましたか?

射場として広いスペースが確保されている。矢道はコンクリ

こちらフランスでは
「弓道」の認知度は然程高くないのに
今年何故、JapanExpoで
大掛かりな射場まで設営したのかというと…
来年7月に「第二回世界弓道大会」
フランスで開催されるからだと思われます。

弓は飛び道具。
安全面とか、事故防止とか考えると、
JapanExpoで実演するのは
面倒なイベントだったはず。

でも、滅多に見られないホンモノの日本の弓。
いろんな年代の人たちが、熱心に行射を見ていました。

素朴な疑問ですが、今度の世界弓道大会が、
日本じゃなくて何故フランス開催なのかと思い
いろいろ調べてみたら、
第一回大会が2010年に日本で開催され
その時の優勝国がフランスだったこと、
日本チームの成績はあまり振るわなかったらしいこと、
(予選落ちだったらしい)
そんなところもあったんでしょうかね。

日本弓道、大丈夫なのか…

またいつか日本で開催してもらって、
弓具屋めぐり等も楽しんでもらえたら…。

そういえば今、弓を飛行機に乗せて運ぶのに、
1本120ユーロくらいの別料金がかかるらしいです。
長さのある道具だから、移動は大変。

弓道ブースの状況をレポート

弓道の体験コーナーは、ゴム弓の試し引きだけ。
実際に、一般参加者が矢を射る等はナシでした。
(これは当然。練習しないと無理だし危険)

巻藁(練習用の台のことです)が設置されており、
フランス弓道部員の人たちが
デモ試射をずっとやっていました。
お疲れ様です…数引ける人がやったんでしょうか。

試しに、
「弓道経験者なんですが、いま巻藁できますか」と
聞いてみたところ、
一般参加者の行射はダメとのことでした。
安全第一ですね。

流派は、小笠原流や本田流等、いろいろだそうですが、
立(試合形式)を見る限りでは、全員正面打ち起こしでした。
日置流は、ドイツに多いらしいですよ。

コスプレイヤーも見に来ています。左端にはナルトが

まずは格好から入るフランス人

そして何よりまず驚いたのが
「竹弓」を使用している人が多い事。
どうやらフランス人的には
「まずカタチから入りたい」そうなんです。
モードの国、フランスらしいというべきか。
だから、習い始めてすぐに袴一式を揃えるそう。

サムライの格好でスタートしたいという部分なのか、
「スポーツジャージでいいからまず引いてみよう」
とかっていうメンタリティじゃないってこと。

ちなみに日本では
初心者はあまり竹弓を買いません。
最初に買う弓は
グラスファイバーやグラスカーボン等、
釣竿やスキー板などに使うような
人工素材のものが殆どです。

なぜなら
竹弓は、気候や湿気で微妙に具合が変わるので、
初心者が使いこなすのは難しい道具だから。
その日の天気で弓の調子が悪ければ、
自分で狂いを直す技術も要るんです。

でも、フランス人にはそんなの関係ない。
「日本らしい、サムライらしい」なのは、竹。
あまり細かい道具の調子の差等は、
気にしないお国柄ってことでしょうか。

だから、不思議と
弓に張る「弦」は、合成もので全然OK、
こだわらないらしい…。
昔ながらの、本当の麻弦なんかは、別に使いません。
(見た目わからないものはOKってことか)

この道具の選び分けが、面白い。

射を見てわかることは、万国共通でした

午後2時から、立(試合形式の行射)が始まって、
フランスの皆さんの射をゆっくり見る事が出来ました。

行射を見ていると…

日本人と、フランス人。
そんなに変わらないんだなって思いました。

弓を引いてるのを見ると、大体その人の性格や
精神状態が判ります。それも変わらない。
国籍や体格にかかわらず
人の心持ちって変わらないみたいだ。

クセのバリエーションまで、おんなじ。
あ、この一本は上手くいきそうだなって人、
緊張して、妻手引き、早気、引きつかなくなる人、
ここは一本当ててやろうというキモチが見える人、
巻藁前と的前で射が変わる人などもいます。

心の中が透けて見える、それが弓…。

そして最後に、一番びっくりしたコトを一つ。
夏は練習しない。
バカンスだから。
道場は閉まってます。

って言われたこと。

えええええーーーーーー!!!!!
夏は、まるまる練習しないって…

しかも。
寒い時期が長いこのフランスにおいて、
この7月8月の2ヶ月間は、
屋外の道場で練習するのに、最高の季節なはず。

フランスの冬なんて、めちゃくちゃに寒いのに。
板張りの道場で、足袋で練習ってつらいよね…
でも…フランス人、夏はバカンスなんだってさ…

その空っぽになった道場で、自主練させてほしい。

ああ、もったいない。

って思っちゃう私は、日本人。

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