Salon du chocolat 2013② 人気の実演コーナー、そしてカカオ生産地で起きている問題

フランス社会・街並み・建築
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サロンドショコラでは
連日様々なイベントが開催されています。
有名パティシエ達の実演コーナーは
テレビ放送もするみたい。

Pierre Hermé のレシピ実演コーナー

右側の、恰幅の良い人が、エルメさん

ピエール・エルメのレシピ実演、大人気。
隣のおばさまが、エルメって美味しいでしょ!と
私に熱く語ってくださった。
大きく頷き、笑顔で返す。

この日は「ババ・アンフィヌマン・ショコラ」
というお菓子の調理実演。
材料を全て記載したレシピも配られました。
(最近出版したレシピ本の宣伝を兼ねて…)

来場者がエルメさんに直接質問できるコーナーも。
「ダイエットしたいので、
 バターじゃなくてマーガリン使うのって
 どうですか?」
という質問が。

するとエルメさんは
ん?バター使おうよ
と、あっさり一言で回答して、終了…(最高!)
気にすんな、ってことか。私も完全に同意である。

来場者に配られた試食が、こちら。

「クリームはとにかくたっぷりかけてね!」
配布中にエルメさんが何度も言う。

バターどころの話じゃない。

LE CHOCOLAT DE H の辻口博啓さんも出演

日本の辻口博啓さんも、最終実演に登場。
この日は、昆布のうまみをショコラに加えたものと、
日本酒を一緒に味わうという趣向でした。

昆布の旨味について解説

試食タイム。
朱塗りの杯に、日本酒ひとたらしと
ショコラを一粒のせていただく。

実演を見ている人みんなに配られるのが嬉しい!

司会者から、辻口さんに
「今日は会場の裏で、エルメに出会えてどうだった?」
という質問もあって、フランス人が、いかにエルメ氏を
誇りに思っているか判ります。

それに対し「東京でもよくお会いしてますよ」と
辻口さんが答えていて、
一瞬、司会者が「そうなの?」って顔になったのが
面白くて。

今や、日本の食文化が
フランスの料理やお菓子に与える影響は大きく、
有名パティシエや料理人は大抵来日してますから…。

LE CHOCOLAT DE H のブースには、
日本未発売のショコラも。
フランス人が好みそうな
美しいギフト用のパッケージも素敵でした。

フランスにおけるショコラの用途とパッケージデザイン

フランスでは、誰かの家に招かれた時の手みやげに、
よくショコラやお花(好みが判ればワイン等も)を
持って行くようです。

日本のように
「おつかいものになるレベルの果物」は存在せず
よって、フルーツを贈答品にする習慣もないみたい。

だから、ショコラのデザインやパッケージは、
フランス人にとって、結構重要なんだと思います。
普段使いのショコラじゃない、贈り物なら尚更か。

そういう意味では、
日本の○リーチョコレートが出している
「トーキョーチョコレート」は、
パッケージやブースに関して
もう少しデザインに力を入れてほしかったかな…

子供向けのお土産なのかな

○ルトや富士山が悪いんじゃなくて…全体にこう…
(いや、自分も◯ARUTO好きなんで)
「デパ地下そのまま持ってきちゃった」みたいな感じの
ダサめのブースデザインで勿体なかった。

サロンドショコラのパンフレットの裏表紙に
どーんとのせていた広告ビジュアルも、
もっとちゃんとデザインを考えては…。
華やかなパンフの中で、このページだけ、
いわゆる日本の学祭パンフみたいな雰囲気で…↓
(裏表紙って、広告掲載料が高いだろうに)

普段用のショコラはボリューム満点?

一方で、普段使い用のショコラはボリューム勝負。
このくらいガッツリですよ。
板チョコ、山盛り!

ヌガーかな?
カタマリ、ヤマモリ。

ここまでくれば、パッケージとか広告とかを超えた
存在感です。ボリュームの安心感か。

マシュマロかな?

恒例の、ショコラのドレス

気を取り直して…。
サロンでは毎年おなじみ、ショコラのドレス。
(食べられないので私の興味は薄い)

現在、カカオ生産地で起きている問題

ペルー産カカオかな?

さすが、元々はプロ向けのイベントだけあって、
世界中のカカオ生産者が多くのブースを出していました。

様々な国旗が見える、産地ブース。右側は、ブルボンバニラ(マダガスカル島やレユニオン島で取れるそう)コーナー。これもお菓子作りに欠かせない

児童労働と貧困

現在、カカオの生産地では、
子供たちが過酷な労働を強いられ
学校にも行けないでいるという問題が起きています。

これに関して、今回のサロンドショコラ内では
特に大きく取り上げられている様子はありません。
そもそも業界全体で積極的に解決しようという
感じではなく…

ショコラティエごとに
取り組みがあったりなかったりという状況ですが、
人によっては、カカオ産地の子供たちに学校を作り、
継続的な支援を行っているところもあります。

例えば、ベルギーのショコラティエ
ピエール・ルドンさんは、2012年から
タンザニアに学校を作る活動をはじめています。
(◾️2022年現在も継続中!)

日本では、バレンタイン限定で
ルドンのショコラが購入できます。
お味もよいので、おすすめですよ!

カカオの希少種が消えていく…

それと今、カカオの希少種が
どんどん減っているのをご存知でしょうか。

カカオ生産者達は、不作リスクを避けるため
病気に強く、大量生産できるカカオ品種に
どんどん移行しています。
(経済的効率を考えれば、そうでしょうね…)

しかしその為に、独自の味や香りをもつものの
育てにくいカカオの品種は、
消滅の危機に瀕してしまっているのです。

現在、ショコラティエのパトリック・ロジェ氏らが
こうした希少種の保護に取り組んでいます。
希少種を育ててくれる生産者から
優先的に買い付けることによって
多様なカカオの品種を、守ろうということ。



甘くて美味しいショコラにも、いろいろある。

さて次回は最終回、
その他のお菓子や、パンのお話を。

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