パリ15区、馴染みのお肉屋さんの話。

食生活
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日本では、11月29日は「イイニク」の日。
それにちなんで、肉のお話を。

今年オープンしたお肉屋さん

70 rue du commerce 75015 PARIS

大型スーパーもあちこちに有るけれど、
小さな商店主さんたちも
まだまだ頑張っているパリ。

それでもやはり、後継者が居なくて
お店をたたむケースも多い中、
今年、うちの近所の商店街に出来たお肉屋さん
「SYLVIE & OLIVIER Donné」は、
一歩お店に入ると、スタッフの皆さんの
何だか溌剌としたエネルギーが感じられる
気持ちのいいお店です。

◾️2022年現在、店名が変わっているので、
 経営者が変わったかもしれません。
 スタッフの皆さんはどうしているんだろう…

このお店ができるまで、あまり肉を食べなくなっていた

いろんな下拵えをしたお肉やお惣菜がいっぱい

地元の商店街には、他にもお肉屋さんが
2軒くらいあり、何回かそちらでも
買ってみたのですが、特に美味しくなくて…。

むしろ近所のモノプリの精肉コーナーで
平飼いのちょっと高めの鶏を買った方が
美味しかったりした。
でも、私が食べ切りやすい少量パックなんて無いので
すっかり「肉離れ(怪我じゃなくて)」していた
パリ生活だったのです。

それが、ある日
このお店の前を通りがかった時に、ふと見ると、
ショーケースの中のお肉たちが
「おいしいよー」と私に語りかけてきた(気がした)。

少量のお肉を頼んでも、気持ちよく包んでくれるお店

滅多に食べないステーキ肉

最初は恐る恐る、ちょっぴりと150〜200グラム位
いろいろ試しに買って料理していました。

ここのお店の人達は、私の注文の
量の少なさに驚きはするけれど、ニコニコしながら
その少量の肉を切り分けてくれたのでした…。

フランスで、肉を「150グラム」なんていう
少量で買おうとすると、お店の人に驚かれます。
露骨にめんどくさそうな顔をする店員もいる。
「そんなちょびっとの肉、どーすんだ」ってことか。

私の食生活だと、味噌汁とか、肉野菜炒めに、
ちょっとお肉を使う程度だから、
大量に買うと余るし傷むのが心苦しいんですよ…。

ちょっとでいいから、いい肉を食べたい

ご近所シリーズ

私は、お肉については、量はちょっとでもいいから
良いモノを食べたいほうなので(年だし)
日本に居た時だって、そんなやたらな肉は
食べていない。
(変なの食べると、お腹の調子が悪くなる)

日本で、ちゃんと育てられた肉を
食べてきた私の舌にもちゃんと美味しく、
精気のあるお肉が買える、このお店、いい。

以来すっかり、毎週1〜2回は
ここで買い物をするようになりました。

普段の買い物で、量り売りのコミュニケーションを楽しんで。

肉のプロらしく、誇らしげに商品を扱う姿が格好いい。

またある日、希望のお肉がショーケースに無く、
「いつもの○○肉はありますか」と一応聞いてみた。
すると在庫が有ったらしく、
奥からどっかりとカタマリのお肉を出してきて、
私用のちょっぴりを、切り分けてくれた。
(ありがとうございます…)

量り売りで買う時は
ホネも含めての重量で計算するものらしい。
(出汁とかとれるのかな)
大きな包丁で、骨ごとがちんと切り落としていく。

たまにお店の人が、がつっと多めに切っちゃって
向こうが「あ、しまった」って顔をするんだけど笑
こちらも品質については万全の信頼をしているから
最近はそのまま買っちゃってます。
美味しいので、結局食べきってしまうから。

そんな日常のコミュニケーションをくり返しながら、
肉屋の包丁さばきが物珍しい私は、
ガラス越しに、お肉屋さんの仕事を眺めるのも
大好きです。

いつも私が真剣に見ているので、
お店では「オモシロ日本人」だと思われている模様。

見てて飽きない!お肉屋さんの下拵えや包丁さばき

ご近所シリーズ

先日、鶏肉を頼んだら、
鶏皮に「羽の根元」が多少残っていたんだけど、
スタッフの方がバーナーでボウッと皮を炙り、
後で採りやすくしてくれていた。
(炙ってあると、後でポロポロ取りやすい)

また別の日、とてもうちの包丁で切れそうにない
極太のホネがついていた時(たいてい煮込み用)。
頼んだら、プロ仕様の素晴らしい包丁で、
小分けに切ってくれた。
(面倒そうな作業は、あまりお店が忙しくない時に
 お願いしてますけど…)

みんな嬉しそうに働いてて、
なんだか、あったかい雰囲気が、このお店にはあります。

肉の部位の名前は難しい。ジェスチャーで買い物することも。

ご近所シリーズ

欧州は、肉食の長く深い歴史があり
お肉の部位も、事細かに用途があり、
分けられています。
正直いまだに、何をどう使ったら一番良いのか
把握出来ていません…。

動物の種類も、部位の種類もたくさんあって
覚えきれてないので、注文する時、たまに困ります。

で、困った時は、ジェスチャー等も使います。

例えば…
私の大切な友人であるYさんご一家は
40年くらい前、パリに住んでいたのですが、
フランス語が話せなかったS子おばちゃまは
朝食のタマゴを買う為に
お店の人たちに、ニワトリのモノマネをしてみせて
無事にタマゴを買ってきたんだそうです。すごい!

私も見習う。
先日、お肉屋さんの商品札に書かれている部位名が
いまいち分からず困ったことがある。
スタッフの方に声をかけ、
自分で自分の太ももをベシベシ叩き、
「牛のすね肉が欲しいです」と言ってみた。
(その日の商品札に、辞書でみる「すね肉」って
 表示が見当たらず…)
そしたら、店員さんが
「ポトフとかに使うの?」と聞いてくれて、
無事に希望のお肉を買う事ができました。

さすがプロ。
そして、伝えよう、判ろう、としてくださる
気持ちが嬉しい。

そんなわけで、15区あたりにお住まいの方、
皆さんにお勧め。もう、ノエル近いしね。



食べ物のカミサマは、
美味しいものや美味しいお店があると、
こうして私に教えてくれる。

…と信じている。

これは豚肉。ビニールと薄紙に包んである。

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