ノエルの頃のパリ。お店はどのくらい開いている?

フランス社会・街並み・建築
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「クリスマス当日にパリ旅行しても、
 お店は殆ど休み」という話をよくききます。
そもそもフランスって、12月25日は祝日だし。

では一体、どの程度、どんな店が、休みなのか?
都市文化オタとしては興味のあるところ。
美術館の開館情報等は
ホームページで判ることもあるけど、
案内がメンテされていなかったりするので、
あまり当てにならない。(フランスあるある)

日本だったら、
◾️お盆時期の丸の内
 =人気が無くガラガラ
◾️お正月の住宅街
 =各家の前が掃き清められ、静粛
という感じで…

国や民族、文化ごとに、
異なる暮らしのリズムがあるものだ。

というわけで、
ここ数日はそんなに寒くないので、
毎日毎日お散歩して、
パリの街を探検してみました。
クリスマスにパリ旅行の予定がある方の参考になれば幸いです。

12月23日、日曜日。

パリの日曜日、住宅街のスーパーや商店街は
概ねお休み。
だから普段は、週末のぶんの食料を、
土曜日までに調達するのが基本の生活リズムです。
コンビニないしね。
ちなみに、アラブスーパーと呼ばれる移民系経営
(最近は中国系も多い)の小さなお店は
営業していますが、こちらは少々割高な気がします。

でも!なんと今年の12月23日(日)は、
近所のモノプリも営業しててびっくり!
これは珍しい…
1年暮らしてて、日曜にここが開いてるのを
初めて見た。
なるほど、クリスマス前だけは特別ってことか。

フランスでは、24日のクリスマスイブは
”Reveillon” といって
遅くまで飲み食いする習慣が有り、
皆さんその為の買い物をするのでしょう。

それから、近所の魚屋さんの前にテントが出て
牡蠣やエビを山盛りにして売っていました。
この店が日曜日に開いているのも初めて見た。
確かに鮮度が大事なものは
”Reveillon”の前日か当日に買いたいしね。

こっちでは、
基本的に肉よりシーフードのほうが高いから、
「シーフード食べた=ちょっと贅沢した」って
感覚なんだそう。
そもそもパリは海から200キロも離れた街なのだ。

そして当然、お肉屋さんでは
「鶏は丸ごと!牛は塊!」って感じで、
すごい量のお肉がドカドカ並んでます(笑)

ちなみに、アジアティック御用達の
Kマートなど韓国系のスーパーでは、
すき焼き用の薄切り肉(パリでは貴重品)が、
野菜とセットになって売られていました。
春菊なんかは、すぐ売り切れてしまうらしく、
セット以外の単体売りは滅多に見かけません。

そう、パリって
日本的な季節の葉物野菜のレパートリーが
少ない街なのだ。
(ハーブ等は日本で見かけないものを
 たくさん売っています)

春菊なしですき焼きを作ってみた。ネギ、えのき、椎茸、とうふ、しらたき、牛肉。

12月24日、月曜日。家族が集まる Réveillon de Noël

この日も、殆どの商店が営業していました。
ただし、営業時間が通常と違う場合が有るので、
店の前の張り紙を事前に確認しておかないと
いけない。
そういえば、日本の大晦日も営業時間が
変わってることあるしね。

繰り返しますが(笑)
日本でお店のウェブサイトがある場合、
年末年始の営業時間も
きちんと掲載されていることが殆どですが、
フランスではその辺りの情報提供がだいぶ適当です。

サイトに
「クリスマスは店舗ごとに
 営業時間が変わる場合があります」って
出てればまだマシ
(冷凍食品チェーンのPICARDのサイトはそうなってた)。
つまり、お店の前の張り紙を「自分で事前に」
チェックしとかないとだめってこと。
アナログというか大らかというか何というか。

深夜12時になると、
教会ではキリスト生誕のミサが行われます。
夜中の1時半頃に、家の近所の教会でも、
どんがらどんがらと鐘が鳴っていました。

シテ島にあるノートルダム大聖堂のミサも有名。
でも、地方からパリに出て来て暮らしている
フランス人は、24日には実家に帰っている場合が
多いので、この日に来るのは
パリジャンよりも観光客ということになります。
(なので、行く人は、くれぐれもスリにご注意を)

(画像:Unsplashから)

ノートルダム大聖堂は
延々並ばないと内部に入れないと聞き、
ミサに行くのはやめにしました。
ちびの私は、西洋の巨人達に埋もれて、
祭壇で何が行われているのか
全く見えないだろうから。
(シャンゼリゼやマドンナコンサートでの教訓)

なんだか、
うちのアパルトマンのどこかの部屋でも、
大騒ぎしているお宅がありましたが、
今日ばかりは多少のことは許されるのかも。
酔った音痴のグループが、
道端で楽しそうに聖歌を歌ってたし。
Réveillonは賑やかです。

12月25日、火曜日、祝日。Le jour de Noël

昨夜とはうってかわり、
朝からとても静かでした。
いつもは通勤の車がうるさい時間帯になっても、
街中が静まりかえっている。

私もそおっと、散歩に出てみる…。

パリ15区の区役所前のノエル市も、
今日はお休み。
ツリーだけが朝日にキラキラしてます。

結構きれいなんです

商店街もガラガラ。お店はみんな閉まってる。

公園には、早起きしたらしい子供連れの家族がちらほら。

それと、天気がまあまあだったのもあり、
お年寄り達の井戸端会議やウォーキングは
いつも通り開催中。
両手を振り上げながら(何かの運動?)
とことこ歩くおじいちゃん。

なにやら かわいい がんばれ

一軒、魚屋さんが開いてました。
でも、今日は早じまいするみたい。
午前中に、山盛りの牡蠣を買っていくお客さんも。
今年の冬は例年より少し暖かくて、
家で大量の牡蠣を保存するのも大変なら、
朝購入するのも有りだね。

パン屋さんも、
開いてるところはいつも通り結構並んでます。

それからクリスマスに、
フランスの家庭でよく食べるという
白ソーセージ「ブーダンブラン」。
数々の受賞暦をもつこちらの肉屋も、
朝から賑わっていました。
(横断幕にグランプリ受賞と記載されています)

店内、棚の上にはトロフィーがずらり。

おじさんも真剣に選んでる

下の写真の左側、
白いソーセージがブーダンブラン。
牛乳と豚肉で作るソーセージ。

ちなみに、
ガイドブックにフランス名物として載っている
「ブーダンノワール」は、豚の血と豚肉で作る
真っ黒いソーセージです。まだ怖くて食べてない。

いずれにせよ、
どの食料品店も25日は早じまいする模様です。

歩いてそのまま
サンジェルマンデプレまで行ってみましたが、
洋服屋さん等は当然全部休み。
サンジェルマンデプレ教会前のノエル市も、
25日はお休み。
(クリスマス市に関しては、パリ市のホームページに日程案内が出ています)

でも、観光スポットの「カフェドウマゴ」と
「カフェフロール」は営業中。
(昼過ぎでも結構並んでました)
お店の前を通ったら、急にタルトタタン食べたくなりました…

(画像:Unsplashから)

アンバリッド前の芝生の広場に寄ると、
いつもは芝生にベタ座りの人達でいっぱいなのに、
今日ばかりはこの有様…
こんなに人がいないなんて珍しい!

これほど芝生がガラガラなのは、きっとホントにクリスマスだけなんだろう

こんな感じで…

この3日間、パリの街を歩いてみて
「クリスマスは実家に帰省する人が多い」って
本当なんだとしみじみ実感しました。

パリから人が消えて、
デパートも25日は閉まってて、
なんだかここ数日は、
日本の大晦日と元旦を見ているようでした。

25日昼過ぎのボンマルシェ前。ここのノエルのディスプレイがとても素敵で、いつもウィンドウ前のお立ち台には沢山の子供たちが登って見物しているんですが、今日は誰もいない。
静かな街で、クリスマスのショーウィンドウを外からゆっくり眺める。これは Cafés Richard

ショーウィンドウも、
いつもなら人通りが気になるけど、
今日はゆっくり撮影できた。

普通の商店街だって、
お店の入り口の上は、この「盛り」ようだから
キョロキョロしながら歩くだけで楽しい。

あ、近所のスターバックスは営業してました!
チェーン店は開いてる、ってのはホントだった。

クリスマスでもサードプレイス健在

しかし。

年末年始の大掃除という文化が無いので、
相変わらず街中は小汚かった。
クリスマスは家族でおうちで過ごすから、
家の外が汚くても関係ないのだね、たぶん。

そう考えると、
日本のお正月の清々しさって、すごい。
みんなの家の周りが掃除されてる日って、
世界の当たり前ではない。
改めて、なかなか良い習慣だなと思う。

というわけで、ノエル当日、
静かなパリの散歩を終えたのでした。

さ、家に帰ってお菓子を食べよう。

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