初級フランス語会話において、頻出のテーマは
「バカンス」や「生活習慣」など。
バカンス、いかにもフランスらしい題材。
そしてもう一つよく出るテーマが「家族」です。
これも結構フランスらしいと思います。
勤め人が定時になったら
仕事終了して家に帰れる国ですから。
家族や結婚、戸籍制度について
日本とは異なる点があるので、
それなりに単語、言い回しや
社会の仕組みを知らないと、
新聞記事やニュースの内容が
理解しづらくなってしまいます。
家族、カップルの成り立ち表現
◾️famille recomposee
再構成した家族、つまり再婚の家庭を示します。
現状、パリでは離婚率が50%を超えており
お互いに連れ子がいる同士の再婚も
珍しくありません。
INED(Institut national d’études démographique)の
サイトには
「カップルが1人以上の子供と一緒に住んでいて
そのうち1人だけが父親または母親である家庭」
と記載されていますが、
これをパッと読んで意味が頭に入る日本人は
少ないかも。
フランスでは2000年時点で、約25%の家族が
このカテゴリ(データ元はこちら)にあたり
160万人以上の子供が再婚家庭で育ちます。
割とよくあるケースのようです。
片親と子供という組み合わせの家庭は、
◾️famille monoparentale で、
男性同士、女性同士のカップル+子供という家庭は
◾️famille homoparentale
人種が違う同士のカップルは
◾️couple mixte
昔ながらの両親と子供という家族にはあえて
◾️famille traditionnelle
という言葉が存在します。
…単語多いよ!と思わず言いたくなりませんか。
義理の間は「美しい」?
それから義理の親とか、義理の娘とか
日本語でいうこの「義理」の間柄の表現には
beau(美しい、好ましいetc)という言葉を
あてます。
des beaux parents , un belle filleとか。
これが何故beauなのか、語源がわからないのですが…
結婚だって数種類あります
結婚にはまず2種類。
教会で行う結婚
le mariage religieux (à l’eglise)と、
役所に届ける結婚
le mariage civil (à la mairie)
があります。
どちらか片方だけするっていうケースもあるようで
最初は状況が理解できませんでした…
役所に届ける結婚も、必要書類が多くて
手続きが相当面倒らしいです。
紙切れ一枚で結婚できる日本とはだいぶ違う。
さらには
お役所ではなく裁判所に届ける制度として
le Pacs (Pacte civile de solidarité)も
あります。
これは日本には無い制度で、
日本メディアでは「事実婚みたいなもの」と
紹介されることもあるようですが、
Pacsは結婚ではなく「契約」事です
(Pacte=契約の意)。
この届出をすれば
法律的に認められた関係となり、
税金、社会保険、財産、生命保険、
子供の教育等々の法的手続きを
既婚カップルと同等に行えるようになるのです。
フランスでは一旦「結婚」すると
離婚するのに弁護士を立てなければならず、
パリカトの先生にきいたところ、
三百万円程の費用がかかるとのことです。
(時間もかかる)
それに比べてPacsは関係解消がしやすいし
今はPacsを選ぶ人も半数程度いるという
状況になっています。
Pacsは、日本では少子化対策の話題の一つに
なっていて、私も言葉だけは知っていましたが、
役所じゃなくて
裁判所の取り扱うこと(au tribunal)だとは
パリに来て初めて認識しました。
だから、フランス語では
結婚 le mariage を解消するときは、
離婚 le divorce で、
le Pacsを解消するときは、
解約 la ruptureなんですよ。
単語多すぎ!と
アタマがストライキ起こしたくなっても
仕方ありません。
フランス人、ストライキ大好きだし(怒笑)
ちなみにPacsだと
同性同士の契約が可能になっています。
街を歩いていてもそれらしいカップルを
見かけることがありますし、
うちのクラスにもそんな感じの方が
勿論います。
(余談: gayは英語。フランス語でgayは「陽気な人」の意)
冬期講習で一緒だった
イタリアから来た女子大生の話では
「自分の学部は9割が女子生徒、
1割が男子学生だけど、
男子学生の半分が同性愛者で、
格好いい男の子は大抵そうだった」
と嘆いていました。がんばれ女子大生…。
…というわけで。
そんな状況をざっくり知っておかないと
新聞やニュースの話題についていけない国、
フランスでした。
ああ、単語が多い…
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