冬期講習のうちのクラス、
殆どの人が多少の英語はOKなのですが、
一人だけ全く英語が話せないのが
コロンビアから来た27歳の神父さんでした。
彼はスペイン語が母国語です。
パリカトはその名の通り
キリスト教系の私立大学に併設しているため
世界中から神父さんやシスターたちが
神学を修めるために通ってきています。
まずこの語学学校で、神学を勉強するための
ベースになるフランス語を学んで、
それから大学の授業に進むのだと思われます。
そうなると、他の生徒達は
休み時間に英語で世間話ができるんだけど
(まだ皆、仏語が苦しいからね…
本当は休み時間も仏語にしたほうが
いいんだろうけれど)
彼ひとりだけは、まだ初級フランス語のみでしか
クラスメートとの意思疎通ができないので、
まったく会話に入れず
ちょっとかわいそうな気もしてしまう。
学校内で、他のコロンビア人神父さんと
スペイン語で会話をしているところも
見かけたことがないし。
という訳で、こちらも殆ど(フランス語では)
口がきけないどうぶつみたいな状態ですが
がんばって神父さんに仏語で話しかけてみた。
聞いてみると、彼は今、パリ市内の教会の施設に
寝泊まりしていて、あと3年くらいは
フランスで勉強しなければならないらしい。
神父としての神学修行ってことでしょうか。
でも、いま滞在中の教会でも、
スペイン語が話せる人は5〜6人で、
しかも高齢の方たちばかりだと言っていた…。
勿論、パリに年の近い神父さんもいるけれど、
彼らは彼らで仕事が忙しいので、
会ってスペイン語で話す機会も殆どないのだとか…。
お、これは、よい練習相手になるかも…
前に書いた通り、うちのクラスは、
間違いまくりのフランス語でも
気にせずベラベラ話しまくる学生が多い。
その中にいると
発語に苦しむ私たちのようなメンバーは
苦しいものがあるのだ。
あまり発語を待ってもらえないから。
そこで
「お互い、英語も仏語も不慣れだから、
フランス語会話のいい練習になるね」
と声をかけてみた。
学校からメトロの駅まで10分程度の帰り道、
毎日、神父さんを相手に
慣れないフラ語会話に挑戦しています。
この方は人との接し方がとても穏やかで、
私のような日本訛りの拙いフランス語にも
苦労しつつ丁寧に言葉を返してくれます。
(自分も間違えないように、考え考え喋ってる)
私の叔父がキリスト教の牧師さんで、
ポルトガルと日本のハーフなんですよ…
なんて話もしてみました。
日本は歴史的な事情から、
カトリックとプロテスタントの区別が曖昧だ
という話をすると、相当びっくりされましたが…
(この辺の詳しい話になると、仏語で詳しく
説明することはできませんでした。
国の宗教史を説明するのって難しいよね)
それから今日の帰り道。
神父さんが冬期講習中に、基礎文法に関する
質問を何度もしていたので
「スペイン語で書かれた、フランス語の文法書は
持ってきているの?」と聞いてみました。
案の定、もっていないとのこと。
うーん、あの質問内容で、
文法の参考書が一冊もないままで過ごすのは
キツいんじゃないだろうか…と思った私。
(基礎文法の鬼なので)
ちょうど授業で、フランス語での道案内の会話を
やったばかりだから。
パリには「Fnac」という
家電や本を扱っているチェーン店があります。
日本でいうとTSUTAYAみたいな感じですね。
そこに行くと、いろんな言語の本も売ってるから
探してみたら?と
最寄り店への行き方を教えたら、喜んで
早速向かっていきました(笑)
よかった、意図は伝わったかも???
何となく、
高齢の神父さんばかりに囲まれてたら、
そういうTSUTAYA的な店の情報って
知らないんじゃないだろうかと、
予測を立てたのでした。
(昔ながらの本屋はともかく)
実際、Fnacの存在を知らなかったみたいだった。
明日、彼がちゃんと文法書を買っていたら、
私のフランス語が通じたことになる。
スペイン語のいい本がありますように…
さて冬期講習、残りあと少し!
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