アパルトマンの次の入居者候補がやってきた

住まい
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帰国してからも、山のようにやることがあって
終わらない今日この頃…。

ここからは、帰国前のお話を
さかのぼって書いていきますので、
日付等は無視して
6月中のことと思ってお読み下さい。

次の入居者候補が、内覧にやってきた

パリ11区散歩。空き店舗が見える

ある日、京不動産のオーナーマダムから
私の部屋の、次の入居者を決めたいので
検討中の人をつれて部屋の内覧に行きたいと
連絡が有った。

1回目は、当日キャンセルされ
 (掃除して待ってたんだけどね)
2回目には、マダムの娘さんが
 (彼女も京で働いているらしい)
音楽をやっているという、日本人女性を連れてきた。

ピアノをやっているという、その日本人女性は、
パリ暮らしにもなれた様子で、
部屋の作りをさらりと観察し、
オーナーの娘には判らないが、私に日本語で
「ここ、壁薄いですよね」
とすぐに見抜いて言った(その通り!)

どうやら、京不動産のオーナーマダムは、
私の前に、この部屋に入居していたのが
日本人のピアニストだったので、
次も誰か日本人(=金払いが良い)の音楽家を
入居させようとしているらしいのだ。
(以前、ピアニストが住んでた!とか言って)
ひどいね。

このアパルトマン、とてもじゃないけど、
一日中、音楽を演奏して
近隣が黙ってるとは思えないんだけどなあ。

私は、隣近所の声もよく聞こえることと、
まあ日中は、表の通りの車も多くて煩いので、
多少の音はかき消されるかもしれないけど…
とだけ言っておいた。

自室でピアノ練習をしたいというのが条件だったのに

パリ11区散歩

彼女に家賃を聞かれて答えると、
「この広さでそれは高い!!!」と驚いていた…
なるほどー。そうなんだ。
どうやら、彼女の今の部屋は友人から借りていて、
ピアノも一日5時間くらい練習できて、
私の部屋より少し広いとの事。
(ただ、バスタブ&中央暖房はないらしい。
 私の場合、暖房費は一応家賃に含まれている。
 ま、それでも高いんでしょうね。)

それで、夜10時くらいまで練習できる部屋を
探していて、この物件を紹介されたというのだ…。

どう考えたって、この壁の薄い物件で、
夜10時まで、毎日練習するのはきびしい。
京不動産のマダムはどうかしている。

京不動産のマダムの娘さんは、
マダムよりずっとまともな仕事ぶりだった。
彼女は、日本人女性客の希望する練習条件を聞くと
たぶんこの部屋では難しい気がすると、
ぽろりとその場で言ったのだ。

娘「規定では、5時間まで練習していいって
  きいているけど、
  それでも夜10時までっていうのは
  ちょっと私もどうかと…」
私「管理人さんに聞いてみた方がいいですよ」

マダムの娘と日本人女性客は、そのまま帰っていった。

二人目も、音楽家が内見にやってきた

パリ11区散歩

また別の日。

今度は、京不動産でアルバイトをしているらしい
日本人女性スタッフが、
パリの不動産探しに全く慣れていなさそうな
日本人女性客とその母親らしき人をつれて、
私の部屋の内覧にやってきた。

部屋のきれいさ(掃除の徹底)は、
そりゃ、他のフランス人の部屋に比べたら
ずっと良いだろうけど…
それについては満足げな様子だった。
(私が入居時よりきれいに掃除したんですよ!)

しかし。問題はそこじゃない!

なんと、またこの女性も音楽をやっていて
ピアノを弾くのだという。
まわりの音はどうなのかを気にしている
その若い女の子に、
京不動産の日本人スタッフは、
「規定では5時間まで演奏していいことに
 なっていますから」
とだけ言った。

規定では、ねえ。

「隣近所の音は結構聞こえる部屋ですね。
 私は音楽家じゃないから
 近所に音の事で何か言われた事はないけど、
 とにかく管理人さんに、話を聞いた方がいいですよ」
私は、それだけ言っておいた。

でも、明るい部屋だし、綺麗にしているし、
ここを気に入ってしまっているふうで
どうも心配だったけど…

どこのどなた様か、存じ上げぬ訳で、
その後の事もわからないけれど、
とりあえずその日は、京の日本人スタッフと
若い音楽家のお嬢さん達はそのまま帰っていった。

日本人スタッフは
「この部屋もネットで紹介しており
 希望者が来ていますからお早めに…」と例の台詞。

そうして後、びっくりしたのは…。

前の入居者が出て行った理由

パリ11区散歩。この部屋も改装中らしい

あとで、管理人さんと話して判った事なのだが、
私の前にこの部屋に住んでいた入居者は、
ピアノの練習のことで近隣と揉めて、
ヘッドホンでピアノの練習をせざるを得なくなり、
それが理由で引っ越していった
のだそうだ。

管理人さんに、
「京のオーナーマダムが、
 夜10時までピアノひいていい部屋だって
 言ってたみたいだけどホント?」
と聞いたら
「とんでもない!!!ダメよそんなの!!!」
とぷりぷり怒っていた。

当然…
京不動産のオーナーマダムは、そんな問題は既に承知のはずだ。

それなのに、こうして日本人音楽家を
(高くても借りるから?)
またしても内覧につれてきて
入居させようとするのって、どうなんだ?
手数料さえ取れればいいのか?
失敗してまた部屋探ししなきゃならない、
その音楽家さんのことは考えないのか?

日本だと…
不動産業者が間に入って部屋を貸す場合、
音などの特定の問題に対して、
入居前に、特にそれを懸念しているお客から
その質問がでていたら、
その点について
すでに以前に問題の有った部屋なのであれば尚更、
以前にあったトラブルについては説明しておかないと
絶対にまずいのです。

きちんと説明しないで、入居後トラブルになった場合
その不動産業者が責任を問われます。

フランスは違うのか?

仮に、京不動産の、その日本人アルバイトさんが、
何も知らずに「規定では…」と言ったのだとしよう。
(でも、どうみても壁の薄そうなこの部屋について、
 念のためそういう確認をしようという素振りは
 一切無かったのは事実。
 1件決まればコミッションもらえるってバイトも
 あるのは確かだけど…)

でも、繰り返すが少なくとも
オーナーマダムは、知っているはずだ。

日本人が出てきたからって信用できるとは限らない

パリ11区散歩

この事を、日本人の友人に話すと、
「まあ…もうパリは、皆
 痛い目みて勉強するんだよ、この街を…」
という人や、
「その不動産業者は、ヤバいね」
という人も。
みんな反応は夫々でした。

いずれにせよ、その後、私が住んでいるうちに
誰かが私の部屋の内覧に来る事は無かったのです…。

というわけで、パリで音楽をやっている皆さん、
この不動産業者の情報は鵜呑みにしないで、
絶対に自分の「耳」と「目」で
確認した方がいいですよ。すぐわかるはずだから。

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