マルモッタン美術館。美術と科学のめぐり合わせ。

美術館・博物館
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マルモッタン美術館は
パリ市の左の端っこにあります。
パリ中心部からちょっと離れるので
一般的なパリ観光コースには入っていないことも
ありますが、モネの「印象 日の出」「睡蓮」等
を所蔵している素敵な美術館です。

今日、A先輩ご夫妻と一緒に、
マルモッタン美術館で
モアンヌ前田恵美子さんのコンフェランスに
参加してきました。
作品を見ながら、その場でいろんな解説を
聞けるのです。

今回のコンフェランスは1800年代中頃〜後半の
(奇しくも、私がこだわってるパリ都市開発の
 時期と重なっています)
印象派・新印象派・フォービズム(野獣派)
・キュビズムの作品群についてだったのですが…

先生のお話は本当にすばらしく
モネの睡蓮の前で、私は一瞬、
画家の生きた時代へ
心の旅に行ってきたように感じたのでした…
まるで美術を通じた時間旅行。

教科書丸暗記の知識なんて、太刀打ちできない
話の深さ、凄さ。心から面白かった…。

マルモッタンは、世界最大級のモネコレクションを誇る美術館(画像:Unsplashから)

それから、中学生時代から不思議に思っていた
美術の謎が解けました。

スーラ(点々で絵を描く人ですね)の絵が
展示されてたのですが、
あれって、なぜいきなりわざわざ点々で描こうと
思ったのかな〜という、素朴な疑問です。

中学生の頃、私は美術部所属でした。
自分で油絵を描くことに興味はなかったものの
当時、学校のアトリエにある
沢山の画集を見るのが楽しくて、
スーラについては
「これはなんで点々で描いてるの?」等と
よく先生達に質問をしたものです。
当時、その質問に対する明確な説明はなくて
そのまま終了になってたんですが(笑)

この時代、プリズムを通して
光というものは何色かに分解できることが
わかっていた。

チューブ絵の具が発明された為、
画家たちは今までのように
アトリエに籠ることなく、
屋外に出て絵を描くことができるようになった。

産業革命、鉄道の誕生、汽車に乗って
郊外にも出かけやすくなった。

郊外にでて、美しい自然の光をどう描くか悩んだ
印象派の画家たちは、
色を分解して考えるようになり
分解した色の点々で光を描いてみた。

こんなふうに
同じ時代の様々な要素が絡み合っての
点々だったのだ。

美術と科学も、めぐりあわせか。

(画像:Unsplashから)

それから、
なぜ「野獣派(フォービズム)」っていうのか
不思議な名前だと素朴に思ってたのですが、
それもスッキリ解決。
(別に野獣が描いてある訳じゃないのに)

当時のある展覧会で、
激しい色彩の絵画群に囲まれて
たまたま会場の真ん中に
白い女性のトルソーが置かれていた。
その様が「まるでトルソーが野獣の群れに
囲まれているようだ」と評されたことから
「野獣派」という呼び名が生まれたんだとか。
(油絵も描かずにそんなことばっかり質問する美術部員)

いやいや。こんなトリビア的な話だけではなく。
先生のお話は、もっと深遠なものでしたよ。

子供の頃の謎が解けて、何だかいい気分。
数十年ごしの、答え合わせ。
これもめぐりあわせだ。

フランス語が流暢に喋れないとか言ってないで
管理人の話が分からないとか言ってないで
未だにデジコード表札に名前が出ないとか
言ってないで。

何だか元気が出てしまったから。

マルモッタンから帰ってきて
またニュース流しっぱなしにして、
内容わからないけど耐えながら聴いて、
頑張ってみよう。

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