パリには海は無いけど、カモメが居る。
彼らは、セーヌ川を往来する平底船に乗り
海からパリまでうっかり160キロ以上も遠征してくる
のんきな鳥達だ。
そして川辺で、バゲットのかけらを
カラス達と一緒になって取り合ったりしてる。
夏が近いこの時期になると、
パリの街中でも、カモメの鳴き声が時折きこえるので
まるで海辺にいるような気分になれるから不思議だ。
パリから一番近い海に出るとなれば、
例えばオンフルールの街までだって、
直線距離で160キロくらいある。
日本の東京や横浜に住んでいると、
ちょっと電車に乗れば海が見られるんだけど、
パリは海が遠い。
自分はこんな内陸で暮らすのは初めてだ。
トロカデロ広場横、海軍博物館へ。
海の無い街、パリのシャイヨー宮には、
フランス国立海軍博物館があります。
この日は校外授業の子ども達も大勢見に来ていました。
ナポレオンだって海を渡って
エジプトまで行った訳だし、
多くの植民地を持っていたフランスにとって、
航海術は重要なものだったでしょう。
実物大の、中世の船の部分模型や…
そもそも木造船をどうやって作ったか、
大型船の作り方のミニチュア展示も。
(模型好きには嬉しい)
まずこうしてU字型の枠を作って並べ…
あとから船底の板を貼っていくんだって。
第2次大戦の頃の展示では
レトロな空間に、実物大の魚雷や…
潜水艦のつくりを見られるスケルトン模型もありました。
宇宙船かと思った。
「海軍航空学」って書いてあるポスター。
手書きの絵の真ん中にうっすらと
空母が描かれているので
あれに飛行機を乗せ始めた頃のものか。
そう、ここは海軍の資料館だったな。
博物館の奥には、模型作製部屋があって
係の人が地道に作業をするところが見られます。
根を詰めてというよりは、のんびりと
コーヒーかなんか飲みながら作業してる雰囲気なのが
フランスっぽい。
船上生活を知る為の展示も
これは船医キット。立派な糸ノコが入ってる。
何を切るんだ。
19世紀のキットで、クルミ製の木箱に、
真鍮、クロームメッキの手術用具が収められています。
潮風で錆びない素材、まさに「海仕様」。
昔の長期航海においては、
船員の健康管理は大問題だったらしい。
冷蔵技術の無い時代は、飲料水にもすぐに虫がわいた。
フランスでも、漫画 ONE PIECE が人気で、
海賊生活は子供達の憧れでもあるけど、
現実は甘くないっていう。
一方こちらは、船内キッチンのミニチュア。
下の写真は潜水服らしいんだけど
これ本当に大丈夫なんでしょうか
巨大なガラス塊
ガラス好き、光るものが大好きな私が
感激したのは、こちら。
私の背丈よりずっと大きい。
何とこれ、灯台の頭の、光る部分。
初めて見た!
近づいてみると、
一個ずつのガラスピースには結構隙間が有って、
光が出来るだけ遠くまで届くよう
隙間や角度が調整されているみたい。
うつくしい。
先月のサッカー優勝パレード騒動から1ヶ月。
既に落ち着きを取り戻した、トロカデロ周辺です。
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