今度はミニじゃなく、プチパレでアート鑑賞。

美術館・博物館
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グランパレ、ミニパレの続き。
今日はプチパレに行ってみよう。
(パレだらけですみません)

最近プチパレが、こんなカラフルになってます。

こちらは、グランパレのお向かいにある、
パリ市立美術館「プチパレ」。
1900年のパリ万博の際にパビリオンとして
建てたものを、いろいろ話し合った末に
残して使い続けている施設です。

実は、取壊し案も有ったそう…。
(こんな立派な建物を?勿体無いよね…)

晴れた日に訪れると、自然光が心地よい空間。

開放的な展示室

正面玄関を入ったら
エントランスホールのカウンターで
チケットを貰います。常設展はなんと無料!

もし企画展を見たい場合は
ここでチケットを買っておきましょう。
(後からカウンターに買いに戻るのは面倒です)

エントランスホール

取り壊されないで、よかった。

それにしても…常設展だけでも
結構な展示ボリュームのある美術館、
これがタダって凄い。

常設展のおすすめ見学ルート。日本語の説明カードあり

時代を追って展示を見たいなら、
正面すぐの階段を下りて
紀元前のギリシャの焼き物から始めましょう。
美術の発展の流れが判りますよ。

ちなみにプチパレには
各コーナーに日本語の説明書きが設置されています。
(A3サイズのパウチッコです)
「これなに?」って展示物に出会ったら
読んでみるといいかも。

私、試しにこれを全部読んで廻ってみたら、
相当時間はかかったけれども
物凄く勉強になりました。

確か、1枚を除いて、とても判りやすい説明でした。
(何故か、学術書写しのようなカードが
 1枚だけあったんですよね…)

おもしろい陶磁器いろいろ

焼き物もいろいろあります。

下の写真は
実際の動物から型を取って作ったという飾り皿。
こちら、型はともかく
どうやってこのリアルな色彩を出したのか
未だに詳しい製造方法がわかっていない作品です。

魚、貝、蛙、蛇が超リアル…。

他にも、伊万里焼きの皿と
そこから影響を受けたアールヌーボーの焼き物を
並べている。

古伊万里とフランスの陶芸が馴染んで見える

日本のせっ器に影響を受けたフランスの陶工、
ジャン・カリエスの作品も。

このあたり、何も知らずに見たら
日本で作った焼き物かと思ってしまいます。

時計や本、彫刻等も充実していて見やすい

それから、1600年代(日本は江戸時代)に
欧州ではこんな時計が既に作られていたそう。
細かい装飾が素晴らしい。ルーペほしかった。

それから、ある一角にひっそりと、
カバーのかかった展示があって、
「見たい人はボタンを押して」と書いてあったので
ボタンを押してみると…

貴重な本が!

ガラガラと音がして、数十秒だけカバーが開き、
ケース内の貴重な「ルネサンス期の本」を
見る事ができたり…

建築マニアなら
プチパレの建築についての展示もぜひどうぞ。
地下の38展示廊下には
プチパレ建築中の写真や、装飾のデザイン図面が!
(但しここの説明書きはフランス語のみ)

この細かい手書きのデザイン画がたまらない

彫刻も、ポイントを押さえた作品が揃ってます!
こちらはプチパレの建物と同時代の彫刻だからか、
何だかとても馴染んで見える。

Jean-Baptiste Carpeauxの彫刻

この彫刻家、ジャン・バティスト・カルポーは
オペラ座の彫刻「ダンス」
(↑作った当時は「扇情的」だと問題視された作品)
リュクサンブール公園の噴水の彫刻など、
パリ中に作品があるので、
旅行中、誰もが必ず彼の彫刻を目にしているはず!

素晴らしい作品を生み出し
ナポレオン三世時代に活躍したものの、
第2帝政崩壊のあおりを受けて、晩年は恵まれず、
若くして亡くなっています。人生って、ね。

インテリアカラーが素敵なカフェ

カフェは、淡いグリーンと紫の美しい内装。
この色合わせは最高。

ただし供されるものは、学食的な感じなので
食事は他に行った方がいい。

ルーブルみたいに広大でなく、美術史をぎゅっとまとめて見られる秀逸な美術館、プチパレ

プチパレには
様々な時代の絵画も沢山ありますし、
家具、タピスリーなども充実しています。

古い順に、彫刻や絵画をみていくと…

神話の中の人物じゃなくて、
日常の農作業をするような普通の人間が
モチーフになった作品が登場する辺りで、
「ここで時代が変わったな!」と気付きます。
(昔は「ただの人間」は、美術のモチーフとして
 扱われていなかったので…)

1900年パリ万博の頃は、
産業革命が進んで、身の回りのいろんな物が
工業生産のものに代わっていった時代。

その反動で
日用品の中にも、もっと芸術性を」と
動いた人たちが居て、そのおかげで
人の手で生み出す「工芸」の素晴らしい作品が
生まれた時代。

さらに、それまでの時代には
「神話や聖書をモチーフにした
 絵画や彫刻が最高位で、
 日用品や室内装飾等の美術や工芸なんかは、
 レベルのひくいもの」
とされていた芸術のヒエラルキーを、
ぶっ壊そうとした人たち
が現れたのも、この時代。

パリのメトロのアールヌーボー装飾をてがけた建築家
エクトル・ギマールもこの時代の人でしたね。
(神話や聖書モチーフじゃない)

そんなパンクな人たちの作品が揃ってると思うと
ココロ踊るな。プチパレ。

中庭の緑

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