ベルシー地区と、パリ13区の再開発エリア散歩。

フランス社会・街並み・建築
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テストも終わり
久々に天気のよい週末だったので
街歩きに行ってきました。

行き先は、パリの東寄り。
12区のベルシー地区(Bercy Village)と、
その向こう岸にある13区のパリ再開発地
(あちこち工事中)です。

どちらもパリ観光地?の中では
相当マニアックな場所ですかね。

パリ観光で倉庫跡を見たいとか、
再開発の建築を見たいとかって、
そんな人は、あまりいない。

ベルシー地区は
かつてワインの倉庫街だった場所を
再開発したところです。

緑がいっぱいの公園やレストラン、
カフェ、ショッピングモールや映画館などが揃い
パリに住んでいて
家族や仲間で休日を過ごすには
よさそうなところです。
それに日曜日も営業しているのは特筆ポイント。

記事サムネの建物はシネマテークフランセーズ。
映画好きなら嬉しい「映画博物館」もここにあります。

ベルシーにワイン倉庫があった理由

右手に見えているのが元ワイン倉庫。道路面に残る鉄の二本線は、貨物用の線路跡でしょうか。大きく育った木々の緑が綺麗です。

現在のパリ市は
20の行政区で構成されています。
その中で、ざっくり言うと11区〜20区あたり
つまりパリ市の中でも外周にあるエリアが
「パリ市」に編入されたのは1860年のこと。

このベルシー地区、
かつては「パリ市外」でした。
ぶどう畑の広がるのどかな場所だった。

19世紀のパリは、市外で呑むなら何と
ワインのパリ市内持ち込み税が
かからなかったそうで…
つまり、ワイン好きにはかなり嬉しい
お安く呑めるエリアだった為
当時はそれで相当栄えていたそうです。

今風に言えば「DUTY FREEで飲める」街だ。
そりゃ、酒好きなら、そこに行って呑みますよね。

現在は、かつてのワイン倉庫の建物が
商業施設に改装されて
Bercy Villageになりました。
(日本の横浜のみなとみらい、
 赤レンガ倉庫みたいなものでしょうか)

Bercy地区を歩いてみる。

公園目の前の住宅はこんな感じ。
周辺には新しいアパルトマンが立ち並びます。

住宅エリアに近い場所で、蚤の市をやっていました。

この日は、イームズやベルトイアデザインの
ヴィンテージ家具を集めた蚤の市を開催中で
その品揃えに大感激!
もし、こんなマルシェを毎週やってて
近所に住んでたら、絶対通っちゃうな…
買わなくても、見てるだけで楽しかった。

ショッピングエリアには
ワイン屋 NICOLAS
オリーヴオイル専門店 OLIVERS.CO
サーフショップ(ロキシーやクイックシルバー等)
アニエスb、洒落たキッチン用品のお店、
ティムバートンショップ、
デザイン雑貨のショップなどが並び、
フランスらしさはほぼ無いけれど
ぶらぶらするのは楽しいですね。
(上記の公式サイト、Boutiqueのページ参照)

お金の匂いがあまりしない、再開発の街。

茂みの横に、何故かコスプレ集団が。他にも、ワンピースのコスプレ集団も見かけました。

Bercy、それなりにお店はありましたが
元々のワイン倉庫外の雰囲気を生かした
低層の建物が多く、
エリア内に商業施設が占める割合が
低めだったせいか、
個人的に「あまりお金の匂いのしない街」だなと
感じました。
そこが今日ベルシーでひっかかったところ。

日本だと、まず
①建物を高層にして容積率を稼ぎ、
 商業施設を詰め込む
②周囲の空地を緑化して広場を作り、
 地域に提供

…再開発は大体このパターン
高層化+緑化」だからね。

東京は、
「お金を放出させる仕組みで
 出来上がっている街」
「お金を使うことで
 楽しませようとする街」
だといわれます。
=お金がないと楽しめない場所なんだとか…。

日本の最開発はそうなのかな…。
東京って、そういう部分も大いにあると思うけど
それだけじゃ味気ない…、
それだけじゃない都市だと信じたいけど。

子供たちも結構いました。家族連れも多かったです。

でも確かに、東京の再開発や
新しいエリアの話題って、殆どが
「ほーら、こんなにオカネが動くよ!」
みたいな話題しか
メディアでも語られていないというか、
話題性ってそれだけかっていう…

そろそろ、その価値観、何とかならないのか。

ま、パリジャンはケチだとも言われますので笑
ジャブジャブお金を持っていかないと
楽しめないような、
そんな再開発はしないんでしょうね。
その辺の『開発者の意図の差』を、感じます。

もちろん、地区整備後も経済的に回らないと
成り立たないのが再開発だけど、
パリの再開発で、高層化以外の方法論や意図が
どうなってるのか、
いつか調べてみたいところです。

13区の再開発エリアへ。パリらしくない新しいビルがいっぱい。

Bercyから橋を渡り
セーヌ川を挟んだ13区側には
世界的に有名なフランス人建築家の
ドミニク・ペローが設計した
「パリ新国立図書館」
(Bibliotheque Nationale de France)があります。

「4冊の本を向かい合わせに立てた」
イメージらしいです。
空が、広い。

確かに、本を立てたみたいな形

この空間の使い方。
この広さ感。
写真で伝わるでしょうか。

ひろい…
この建物内にもシネコンがあるそうです。

1階のショップの書籍コーナーも大変魅力的で
小さいながらも私にとっては
危険な売り場でした…。
(帰国時やその後が大変だから、
 本はできるだけ買わないようにしてるのです) 

そして先述の通り
13区のこの周辺は再開発地区なので、
新しいビルが多く
オスマン建築が並ぶパリらしいエリアとは
全く雰囲気が違います。

あまりの違いに面白くなって
「同じパリなのに!」と
笑いながら散歩できました。

なんか、ふつう。日本のどこかの新しめの団地か。

笑える程、パリっぽくない。

あまり一人で笑いながら撮影していると
不審者と思われるので気をつけましょう笑。

ちょっと余談です。
13区でもこうした再開発エリアは
まだきれいで歩きやすいほう。
13区には、パリには珍しい
高層マンションの集まっている地区があって
そこが一部、HLM(低家賃の公団)に
なっていたりするんですよね。
その辺の物件は、賃料はかなり安いけれど
治安等の面から、女学生の独り住まいとしては
少々好みがわかれるところです。
かつては住み手がいない程、不人気だった頃も
あるとか…。
このブログに写真は載せていませんが
ちょっと雰囲気が違います。

では再開発エリア散歩に戻りましょう…
このエリアでは、2012年現在
まだまだ工事中のところも沢山あります。
日本と違って、あまり養生シート
(ブルーシート、目隠しシート)を
使わないので、内部がよく見えます。
オープンなんだな。

工事中のエリアは、モノクロで撮ってみました。

全て剥き出し。
だから、新築なのにモノクロで撮ると
「廃墟」のようにも見える。

解体される前の建物に、落書きしまくりである
モノクロ写真だと、打ち捨てられた感がすごい

途中で、もう使われなくなった駅を発見。

古びたホームに落ちる影がきれいだなと思って撮りました。

久々の好天だったので
この日は一眼レフに広角レンズをつけて
撮り歩いてみました。
今日は標準レンズでもよかったかな〜

ベルシー…絶対もう一回こようと思ってます。
なぜなら。
予約制の「縁日美術館」
Musée des Arts Forains を発見したから!
詳しくは、後日…。

古めかしいこの看板が魅力的…

なんか、この塀の中、気になりませんかっ???

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