帰国準備中は時間がないので、
欲しい本はAmazonで買って、自宅に届けてもらえば
時間の節約になる…
なんてのは、大間違いだった!
恐るべし、フランスAmazon、そしてLaPoste。
フランスのAmazonを初めて使ってみたら
私がフランスのAmazonで注文した商品は
ポストに入る程度の封筒(本)ばかりだったのだが
どれもColis(小包)扱いになっていて
書留等と同じく、自分で家にいて受け取らなければ
ならなかった。
不在にしている時は、
不在通知が「運が良ければ」ポストに入れられている。
しかもAmazonで新品で注文してるのに、
気づけばフランス国外からの発送になっているものも
あり、物によっては、配送に相当時間がかかった。
時間の節約どころではない。
ちなみに、上記の通り
不在通知は必ず発行されるとは限らない。
LaPosteが勝手に「受取拒否でした」とかいって
私の荷物を返送することだってよくあるのだ。
(ひどい)
仕方が無いので、アマゾンからのメールで
商品の発送番号をチェックし
それが現在どういう状況になっているのか
自分でちまちまLaPosteのサイトに行って
確認するという…
なんかもう、フランスのAmazonって、
忙しい時にあまり役立たないサービスだったのだ。
間の悪いことに、La Posteがストに入ってる
さらに、事件は起きた。
ある日、LaPosteからお手紙と不在通知が届いた。
その手紙を見ると、
「5月22日から、15区の郵便局はストに入りました。
当面の間、書留や小包は
不在通知だけお届けしますので、
郵便局に各自で取りにきてね」
とのこと。
でたよフランス!
しかも、スト中のLaPoste内部で
不在通知の発行にも混乱とタイムラグが有ったのか
同じひとつの小包の不在通知が
1週間に3回届けられた事もあった。
うっかりそれを持って郵便局に行くと、
「あなた、もう受け取ってるわよ!
監視カメラであなたが来た事も調べられるわよ」と
窓口のオバハンは言い放った。
不在通知を何度も発行している自分達のミスに
ついては、ノーコメントだ。さすがフランス。
仲良しの局員さんはこっそり
「ゴメンね」って言ってくれてたけど(優しい)
まあ、相変わらず、そんなLaPosteなんですよ…
フランスのお年寄りの強さ。
そしてまた、ある日。
私は最後の小包を発送しに、LaPosteに行った。
すると、窓口は、何かの通知を握りしめた
お年寄りたちでいっぱいだったのだ!
そうなのだ。
年金関連やら何やらで、書留を受け取る事が多いのは
お年寄りなのだ。
重い荷物を郵送にするのも、お年寄りなのだ。
たぶんね。
そして、フランスのお年寄りは、強いのだった…
窓口で、前屈みになりつつ、マダムはまくしたてる。
「もう私は2回もこうして郵便局に来てるのよ!
いったい私の郵便はどうなってるの!!
5月からストですって?
まだやってるの?困るわよ!!!」
「うちもそうよ!郵便が届かないのよ!」
職員は、一言も無い。下を向いて、目もあわせない。
急いでいるビジネスマンが
「マダム、ちょっとボク、
急いで受け取りたい書類が有るんで…」
と言おうものなら、
「ワタシだって急いでるのよ!ダメよ!Non!」
と速攻で言い返している。
正に、間髪入れずに。
うわー、こりゃ、私の番は廻ってこないかもね…
半分諦めつつ、重たい段ボールを抱えていたら
どうやら私はその「書留」問題の客じゃない、と
気付いた職員の一人が、私に声をかけてきて
小包を発送させてくれた。
私はなるべく丁寧に、気を利かせてくれた
フランス人郵便局員さんがくたびれないように、
笑顔でMerciを言って荷物をお願いした。
自分の心の持ちようが変わってきた
フランスは何でもこんな感じなので、
ギリギリになって何かをやろうと思っても、
うまく行かない事がある。
予測したって、しきれない事もある。
だから、ある意味で日本にいる時よりも
「計画」をたてるようになるし、
でもそれがうまく行かない可能性を受け入れる
心の準備もする。
そしてうまく行かなくても、世の中みんなそうだから
多少のずれやいい加減さについては
お互いに寛容になって過ごしていく。
大分慣れたけど、最後になって、
あの窓口でのマダム達の戦いぶりを見られたのは、
また私のフランス生活の
大切な思い出の1ページになるのだ。
市民よ、強くあれ、だ。
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