昨日土曜の夜、欧州では
「美術館の夜」というイベントが開催されました。
欧州全土で3000以上、
フランスだけでも約1300もの美術館が参画する
このイベント。
夕方の18時くらいから
あらゆる美術館がナイター営業を行い、
それがなんと入場無料になるのです。
もちろんフランス文化庁主催。
しかも美術館によっては、
ジャズコンサートやダンスイベントなども有り。
それも無料。
欧州、文化に太っ腹です。
お目当ては予約して行くのがオススメ
私は当初、ルーブル側にある美術修復センターの
特別公開に行きたかったのですが、
なんと予約満杯で入れなかった!
残念無念。次回は是非。
他にも、ユネスコの美術コレクションが
この日だけ特別公開されてたりするので、
興味がある人は事前リサーチしておくといいかも。
1件目、パリ日本文化会館
今宵の開催情報をフリーペーパーでチェックしつつ、
「雨だし、まあそんなに混まないかなあ」
なんて思いつつ、
夕食を済ませてから美術館はしごに出かける。
先日のPSG騒ぎで大荒れのエッフェル塔下も、
既にいつもと変わらぬ風景に戻っていました。
いま、15区のパリ日本文化会館では、
「日本の1960年代以降の都市計画展」を開催中。
丹下健三の海上都市計画模型の映像や、
昭和30年代の日本の新聞の
都市問題の記事切り抜きを、じっくり見られました。
この新聞が面白くて、例えば…
◾️車が増えすぎて公害が酷い!
子供はみんな呼吸器の病気に!
◾️このまま交通渋滞が更に悪化したら?
◾️日本は家が狭くて住環境劣悪!
一戸ごとの部屋数を増やせ!
◾️郊外ニュータウンの建設で
日本の住宅事情は改善するのか
昭和30年代って、こんな感じだったらしい。
昔の新聞って、改めて見ると興味深いですよね。
私は10年くらい前の新聞や雑誌の記事を見るの
結構好きです。
誰が正鵠を射ていたのか、なんとなく分かるから。
住宅問題でも「個室が必要」ってなったかと思えば、
今度は「共有スペースが大事」ってなったり。
世の趨勢とは如何に。
今の当たり前も、いずれは変わる。
メディアの報道も、10年後位に振り返って見た時に
意味ある内容になっているかな。
データソースもよくわからない記事が増えて
がっかりすることも多い日本メディア。
ジャーナリストの仕事、読み手のレベル、
たぶん両方まずいか。自分も勉強しとかないとって
1万キロ離れた仏蘭西の地で焦る。
もとい。
私達には当たり前の日本、
東京の空撮映像や
新宿高層ビルからの眺望映像を、
フランス人達がぶつぶつ何やら言いながら見てるのが
ちょっと面白かった。あのぶつぶつを聞き取りたい。
2010年の国連の調査でも、
メガロポリスとして最大の人口をもつのが、東京。
世界的にも特殊な規模の、超巨大な街なんだと
改めて認識しました。
ギメ東洋美術館は大行列
30年前の日仏合作アニメ
「太陽の子エステバン」をご存知ですか?
かつてNHKで放送され、
インカ帝国が舞台の話だったと思いますが、
現在フランスにてリメイク版を放送しています。
パリ16区のギメ東洋美術館では、
これとタイアップして
只今、古代文明展を開催中。大人気だ。
すごい並んでる…しかも、どんどん列が長くなる…
雨で混まないかもなんて、私が甘かった。
パレドトーキョーにも入れない
諦めてよそへと歩き始めたら、
パレドトーキョーのキースへリング展も、この通り。
2件目:オランジュリー美術館
メトロに乗って、オランジュリー美術館の
ジャズコンサートを見にいってみました。
ここもやっぱり並んでましたけど何とか入場。
地下の展示室では、石張りの空間の中で
アコースティックジャズの演奏が響く。
石張りだと、反響が独特だなあ…。
木の部屋とちがう。まあこれはこれで良し。
というわけで、日本の文化庁の皆様、
日本やアジアでもこんなイベントいかがでしょうか。
美術館を身近に感じるきっかけに出来そうです。
今日のところは、2件まわって終了。
このイベントいいなあ。
いつかまたちゃんとリサーチして来たい。
美術館や博物館は、
古いものを保管展示するだけじゃなくて、
コレクションを元に
いろんな知的発信をするのも大切な役割。
倉庫じゃない。
人間が創造し、積み重ねてきた歴史の断片を
タイムマシンみたいに覗けるので、大好きです。
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