南伊旅3:セジェスタの古代ギリシア遺跡。

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作りかけのギリシア神殿

シシリア島南西部のセジェスタには、
標高400mのバルバロ山頂に
ギリシア遺跡が残っています。

古代ギリシアは多神教。
セジェスタのこちらの神殿、
何年もかけて建設している途中に、
ローマの一神教が入ってきてしまい、
どうやら作りかけのまま放置されたらしい。

なぜ建築中だとわかるのか?

上の写真がわかりやすいかと思いますが、
柱の足元の階段状の土台の横には、
ぽちぽちと突起が。

これは本来、石の運搬の時に、
ここを掴んで石を動かすためのもの。
神殿が完成すれば、
この突起は削り落とされるのですが、
ここは作りかけの為、
突起がそのまま残ってしまっています。

ぱっと見、作りかけとは思いませんでしたが…。左下に写る人間と比べると、神殿の大きさがわかります。

かつてのシチリア島は、
糸杉がいっぱいの涼しい土地でした。
緑がこんもりしていた中に
古い神殿があるのを、
学生が偶然に発見したのが約500年前。

今でも何かの折に、
神像が発掘されたりしています。

ギリシアの半円劇場は神のため、ローマの円形劇場は人のため。

神殿の近くには、ギリシャ式の半円型劇場。
このすり鉢状の劇場の音が、
先ほどの作りかけの神殿に向かって届く
位置関係にあります。

劇場の形にも意味があります。

ローマの円形劇場は、
ニンゲンが楽しむ為の見せ物をする場所。
コロッセオでは、動物や人の戦い、殺し合いを
人間が楽しむ。

一方、ギリシャの半円型劇場は、
神に捧げる演劇等を行う場所。
「半円」の向こう側にいる神に対して、
何かを見せる場所。

アグリツーリスモの宿で昼食を。

ランチは、地元の農家のご家族が経営する、
アグリツーリスモのお宿で頂きました。

アグリツーリスモとは
agricoltura(農業) と turismo(観光)が
組み合わさった言葉。
地元の農家さんの敷地にあるお宿で、
地元の食材を用いたお食事を楽しむことができます。

7種類の前菜は、セミドライトマトや茸、
アーティチョーク、カポナータ、チーズ等。

そして、できたてフレッシュのリコッタチーズ。
日本でここまで新鮮な状態では、
なかなか食べられないので、
現地ならではのメニューです。
素朴だけど、旅はそういうのが一番嬉しい。
オリーブも各種。

デザートは、シシリア名物「カンノーリ」。
おせんべいみたいな、甘くない薄い生地を
くるっと筒状にして、
その中にリコッタチーズのクリームを
たっぷり詰めてあります。
これも作り立て。
クリームのおいしいこと!

カンノーリはシシリア島のお菓子です。
だからイタリア本土で食べるカンノーリは、
甘いだけで美味しくないものも多いそうなので、
シシリアにきた時には
是非とも食べ比べてみてください。

ぱりぱりの生地、
さっぱりと軽いのに
乳製品のほんのりした甘さも感じるクリーム…
買って帰りたかった…。

家族経営のお店で、
今日はこのお嬢さんがサーブしてくれました。
今回の旅で、
シシリア最高の笑顔をもつお嬢さんでした。

宿名はSegesta Antichi Sapori、
「いにしえのセジェスタの薫り」
とでも訳しましょうか。
ここでしか味わえない
地元ならではの美味しいお食事でした。

本日のモノクロの一枚。
ガソリンスタンドにて。

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