私の部屋には巨大な窓があります。
1枚が巨大で、しかも片開きなので、
自分ではガラスの「外側」を拭く事はできません。
でも、どうやら昨年1回、いつなのか判らないけれど
窓ふき作業があったらしいって事に
気付いてはいたのでした。
(ある時期に突然、ちょっと綺麗になったので)
日本のマンションやアパート、ビル等で
窓ふき作業が入る場合、
必ず告知の張り紙やお手紙が有るものです。
だって、いきなり窓の外に作業員がいたら驚くし、
何より住人にとっては窓の開け閉めに気を使う。
しかし、未だに一回も、
うちのアパルトマンで窓ふきの「告知」を
見た事がありません。自由すぎる…
たまに「ダスターシュート掃除?」の張り紙を
見ますが…私の部屋にはそんな設備はないし。
と思っていたら、学校から帰宅すると、
屋上から建物前面にロープが垂らされているのを発見。
おお、いよいよ今年の窓ふき!
そしてやはり告知なしか!
そう思ったのが月曜日。
体調崩して、家で寝ていたので、
カーテンを閉めて、作業が終わるのをずっと待機。
しかし夕方になっても
うちの部屋の窓は拭かれた様子がない。
一体なんだったんだろう?と思いつつ、就寝。
そして火曜日。またロープが垂れてる。
こんな小さなビル一つに
のんびり作業するもんだなと思っていたら
(またカーテン閉めて室内待機)
ついに窓外でガタガタ作業する音が。
でも、ガラス触ってないんだけど。
その物音が過ぎると、なにやらトルエンの匂いが…。
しばらくしてから窓を開けてみると、
窓枠の横の雨樋らしきもの?が再塗装されている。
でも、やっぱり窓は拭かれていない。
7階建ての建物で、雨樋は6本だけ…
1日でコレだけ?作業ってこれだけ?
と不思議に思いつつ、
まあフランスだからなあ、と思い直して就寝。
水曜日。なんと、またロープが垂れている!
カーテン閉めて室内待機してたら、
窓の外を大声で喋りながら作業する人が通過していく。
ついに、窓か?
しばらくして、カーテンの裾をそっとめくると、
ロープがするすると巻き上げられていく。
ガラスの雨の汚れは、概ね拭き取られていた。
今年はちょっと雑な仕上がりだけど、
フランス人の掃除センスに
そもそも期待はしていない。
(作業員はフランス人じゃない可能性もあるが)
日本では考えられないスローペースの仕事と、
告知なしで窓の外に作業員がいる状況でも、
住人から文句のでないフランス文化。
「ロープ垂れてるから判るでしょ」って感じ?
(自由でいいな)
ちなみにうちの部屋の巨大窓ガラスには、
入居時から2カ所もヒビが入っているので、
できるだけソフトに作業してねと祈るばかりでした。
パリのアパルトマンの窓拭きって、こんな感じなんだ。
三日間、昼間の窓開けに不自由したけど、
ガラスもちょっとクリアになって
ひとまずすっきり。
夏至も近く、今は夜10時近くでも、
辺りにはまだほんのりと明るさが残っている。
すぐ角のカフェのテラスで
食事をする人たちの話し声や、教会の鐘の音、
行き交う車やバイクの音が、
石造りの建物に挟まれた通り一面に、
響き渡ってそのまま、空に通り抜けていく。
夏が近いね。
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