フランスで、銀行口座を開設する。

銀行 手続きいろいろ
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国が変われば、金融機関や金融サービスとの
付き合い方も変わる話シリーズ。
渡仏当初は、銀行口座を作らないと
他の諸手続きが進みません。

例えば、
■アパルトマンの賃貸料の支払
(銀行口座から引き落とし)
■電気料金の名義変更
(これも引き落とし)
■部屋にネットを引く場合の月々支払
(これも引き落とし)。
これらは銀行口座を持っていないと
手続きできないのです。

スマホが開通したので、再度フランスの銀行の
日本人対応デスクの番号を調べ直し、
ケスデパーニュという赤いカニ?のような
マークの銀行にアポを入れました。

アポイント当日は
手続きに1時間半ほどかかりましたが
無事に口座開設が完了。
その場で、口座の証明になる「RIB」という書類
をもらいました。これを使って、上記のような
引き落とし関連の手続きがスタートするのです。

そして約1週間後に
銀行から2通の郵便物が届くそうで、
今度はまたそれをもって再度アポをとり、
銀行に再度行って、
最終的な説明を受けることになるとのこと。

要は、銀行口座を作るのに二回、
銀行に出向くことになります。

こうやって手続きをしていくと、
日本で暮らしていると
気付かないうちにいろんなものに
守られていたのだと、ふと思いました。
信用とか、存在証明とか。

自分
自分

一人で勝手に外国に来るということは、いち「うまのほね」として全ての生活をスタートするってことか…。

以下、
これから留学予定の人の参考になればと思い
口座開設の経緯をまとめました。
法律やシステムが変われば、手続きも変わるので
とりあえず現時点でのお話です。

古い情報は、再確認。

日本にいる時、
様々な「フランス関連情報サイト」を
チェックしていました。
そちらに掲載されていた銀行の電話番号が
変更になっていて、一瞬焦りました!

かけてみると、聞き取れないフランス語で
メッセージが流れるばかりで
どうしたらいいのかよくわからない…。

困った私は念のためと思い
銀行のサイトをWEBで再度確認してみたら
なんと全然違う番号になっていたのでした。
確認してよかった!

フランス関連の情報サイトって
古い情報がそのままになっているケースがあり
情報がちょっと古そうだったら
ネタ元を再度当たってみるのも大切かもしれません。
(スマホがあるってすばらしい。)

銀行アポイント、取りやすい時期と難しい時期がある。

フランスで銀行に行くときは
アポイントをとってからです。
日本と違って
いきなり行っても手続きはできません。

そしてこのアポ取り、
駐在の人や留学生の手続きが集中する時期、
つまり口座開設の混雑時期には
下手をすると3週間くらい先まで
アポがとれないんだそうです…。

1月は空いてる時期でよかった。

手続きは1時間位で
ケスデパーニュでは日本人スタッフの方が
対応してくれました。

私がケスデパーニュにした理由

クレディリヨネという銀行も
渡仏してきた日本人がよく口座開設するそうで
いろんな情報サイトでも見かけましたが、
聞いた範囲でパリ在住の日本人に
少々評判が悪かったのでやめておきました。
(大学の同級生がケスデパーニュをすすめてくれました)

昔は、東京銀行が
日本人向け銀行口座の業務をやってて、
それが三菱東京銀行になって、
さらに今は三菱はやらなくなって
ケスデパーニュに移った…って流れらしいです。

ケスデパーニュのサイトはこちら

口座開設に必要だったもの

  1. 身分証明書
    (私の場合は、学生ビザを貼ったパスポート)
  2. 居住証明
    (賃貸契約書)
  3. 生活費の残高証明
    (ビザ申請したときの、シティバンクの残高証明を利用)
  4. マネーロンダリングではないという証明になるもの
    (今回私は、日本でユーロに替えた手持ちの現金を入金するのですが、ある程度まとまった金額になると「その現金が盗んだものではない」というか、ちゃんと自分のお金であると証明する書類を何かしら提出しなければいけないのだそうです。)

この4つ目が、ちょっと大変だったのです…。
(シティに入っていたお金を、
 フランスのどこかで下ろして入金します、
 だったら話は早かったのか?)

フランスからのネットバンキング、セキュリティの壁

上記の4つ目の証明にできる書類を
何も持っていなかった私。

仕方ないので、
みずほ銀行のネットバンキングにアクセスし、
私のみずほ口座の入出金明細を
ケスデパーニュ銀行のパソコンから
その場でプリントアウトして提出することに
なりました。

しかし!
今度はみずほのサイトのセキュリティにより
(いつもと違う国のパソコンからアクセスしてる
 から)合い言葉やら何やら入力しないと
先に進めない事態に…

合い言葉を入力しようとしたら
なんとケスデパーニュにあったパソコンは
日本語入力不可

しかも、入力言語の設定変更も
セキュリティがかかっていて不可とのこと!!!
どうしよう。

パソコンとスマホ
SIMが届いてスマホが使える状態でなければ、手続きできなかった…(画像:Unsplashから)

この時、私は全角数字と漢字の組合せを
合い言葉にしていました。
そこで、ケスデパーニュのPCからYahoo japanに
アクセスし、アルファベ入力で検索して
取り合えず日本語ページをいろいろ表示して、
そこから自分の合い言葉に使っている文字を
ひとつずつ拾ってコピペするという手段を
とりました。漢字は順調に見つかるもんですね。

しかし!!!全角数字が見つからない!!!
しばらく粘りましたが、どうしようもなく…。
ああ、今日は最早これまでかと思ったその時。

今回の救世主は、スマホでした。
自分のスマホからみずほのネットバンキングに
入れるようにしてあったので、
合言葉をその場で再設定し(全角数字なしで)
なんとか銀行のパソコンでも操作できる状況に
できました。
(逆に言えば、全角数字と漢字の合言葉は鉄壁ってこと?)

四苦八苦しながららも
何とか、真っ当なお金であることを証明する
明細書をプリントアウトできたのでした…

スマホのSIMが届いてて本当によかった…。

サインした書類

今度は、下記4点の書類に署名。

  1. サイン証明
    (見本を1つ書く)
  2. 自分も、家族も、政治活動に関わっていませんという宣言
    (収賄系のチェックらしい)
  3. 携帯電話とメールにて、銀行からの連絡を受けることを承認すると言う宣言
  4. 自分の口座番号は〇〇…と了解しました、という宣言

居住者用、非居住者用、それぞれの銀行口座

フランスでは「居住者」と「非居住者」で
作れる口座が違うそうです。
居住者用口座とは、フランスで税金を払う人の
ものだそうで(フランスで確定申告をする人用?)
長期学生ビザで渡仏してきている私は
「非居住者口座」を開設しました。

ちなみに。
フランスは毎年5月が確定申告のシーズンで
確定申告をすると、その年の9月に
私のように無収入の学生には
「収入がありません」という証明書が
郵送で届くとのこと。

そしてこの証明書をもって
初めて居住者用の口座が作れるようになるんだそうです。
(長く住むことになったら、の話ですね)

口座を2つ開設しました

今回、ケスデパーニュの日本人窓口の方から
2種類の口座を開設することを勧められました。

① コントチェック

この口座に
フランス生活で日々使うカルトブルーや
小切手、保険がついています。

  • 入金額の上限なし
  • 利率、2012年現在0.25%
  • 口座維持手数料 月6.75€
  • 海外からの送金を受けるのはこの口座
  • カルトブルーや小切手は、フランスに居住しない者が持ち続けることは出来ないので、帰国時には解約しなければならない口座。
  • カルトブルーは日常で頻繁に使用するため、スキミングの危険があるので注意。

② Livret A

政府が出している、一人1つしか持てない口座。
フランス人も1つずつ持っています。

  • 15〜15300€まで
  • 利率、2012年1月現在で2.25%(高い!)インフレに合わせて月2回見直し
  • 口座維持手数料なし
    (ということは、Livret Aに5000€を半年預ければ、コントチェックの手数料が賄える)
  • 貯蓄のみ
  • フランス人、日本人ともに非課税
  • 帰国する時に、口座を残しておいても問題なし
  • スキミングの危険なし

2つの口座の使い方って?

2つの口座には、上記の違いがあるので、

■安全度の高いLivretAを金庫のように使い、
■コントチェックには少なめにお金を入れておく
(スキミングなど、何かあった時の被害が
 少なくすむように)

そして必要なときに
自分でネットバンキングを操作し
Livret Aからをコントチェックに
お金を移していく…という使い方がおすすめだそうです。

ケスデパーニュの行員さんも「2つ口座を作る」
という説明をするたびに
日本人から理由をきかれるんでしょうね。
「要はリブレは金庫ってことですね?」というと
「次回からその表現いただきます」とのこと(笑)

フランスは超カード社会

カフェでもクレジットカード払い
(画像:Unsplashから)

フランス生活、それだけスリや盗難が多いって
ことなんでしょうね。
スーパー含め、日々の買い物は「カルトブルー」
というデビットカードを使うことが殆どです。

フランスのスーパーのレジって、結構せわしくて
日本みたいに落ち着いて小銭出すような
雰囲気じゃないんです。
(いや、マイペースな現地のマダムとかはいますけど)

カルトブルーはデビットカード。
翌日か翌々日には銀行口座から引き落とされます。

さあ、銀行口座が開設できたので
いよいよ念願の自宅インターネット開設、
再チャレンジします!

手続きが終わってほっとしたので、ボンマルシェにて一人でお祝いランチを食す!

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